はじめての皇位継承問題(2)
前回のおさらいです。
(1) 日本の皇室は、一千数百年以上続いた世界最古の王朝であること。
(2) 日本の皇位継承は、男系継承であること。
(3) 女系天皇(女帝が生んだ皇子が即位した例)は一例もないこと。
(4) 男系継承の原則を守れば、やがて皇族は悠仁(ひさひと)親王殿下お一人になること。
皇太子殿下のご兄弟が3人。そこから生まれたお子様たち4人の中で、男子は悠仁様お一人。
では、系図をさかのぼって男子を探せばいいではないか!
今上天皇陛下のご兄弟は、弟の常陸宮殿下。現在、81歳でお子様はなし。
4人の姉妹(内親王殿下)はいずれも結婚され、皇籍を離脱されました。
昭和天皇のご兄弟は、秩父宮、高松宮、三笠宮の男子4人。
秩父宮は肺結核で早く亡くなられ、高松宮はご長寿でしたがお子様はなし。
4男でオリエント学者の三笠宮殿下は男子3人に恵まれました。
長男・寛仁(ともひと)親王ーー「ヒゲの殿下」は咽頭癌で手術16回という壮絶な闘病生活を送られました。女子がお2人。
次男・桂宮(かつらのみや)殿下は病弱で生涯独身。
3男・高円宮(たかまどのみや)殿下はスポーツマンでしたが、スカッシュの試合中に心筋梗塞で急死。女子がお3方。
三笠宮殿下は、3人の男子に先立たれ、2016年に100歳で薨去されました。三笠宮殿下のお孫さま5名が全員女子ですので、結婚で皇籍を離脱されます。これで、三笠宮家は廃絶です。
関連記事:三笠宮薨去
http://mogiseka.at.webry.info/201610/article_4.html
さらに遡ってみましょう。
一夫一婦制を採用されたのは大正天皇からです。その前の明治天皇は一夫多妻でした。
ということは、大正天皇にはきっとたくさんの異母兄弟があったはず…
と思って調べてみたら、がく然としました。
大正天皇のご兄弟。
・長男:死産。
・長女:死産。
・次女:生後1歳で死亡。
・次男:生後1歳で死亡。
・3男:大正天皇
・3女:生後2歳で死亡。
・4女:生後すぐに死亡。
・5女:生後1歳で死亡。
・4男:生後1歳で死亡。
・6女:結婚で皇籍離脱。
・7女:結婚で皇籍離脱。
・8女:結婚で皇籍離脱。
・5男:生後1歳で死亡。
・9女:結婚で皇籍離脱。
・10女:生後2歳で死亡。
14人(男子5人、女子10人)生まれて、成人できたのは男子1人(大正天皇)、女子4人。
恐るべき幼児死亡率です。皇室でさえこうなのですから、庶民に至ってはどれほどのものだったか。江戸時代に人口が増えなかったのもうなづけます。
その前の孝明天皇には2男4女がありましたが、長男と4人の姫君は幼くして死亡。次男の明治天皇だけが成人しています。
ペリー来航に始まる幕末の危機の中で、皇統の断絶を避けるため、緊急手段が取られました。皇位継承権を持つ新たな宮家(みやけ)の創設です。
のちに「11宮家」と総称されますが、そのうち7家の源となったのが伏見宮(ふしみのみや)家。
伏見宮は孝明天皇のご兄弟ではありません。
ずっとずっと遡って、南北朝時代(14世紀)に皇統から別れた分家なのです。
南北朝の動乱は、鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇(南朝)に対し、足利尊氏が反旗を翻して光厳(こうごん)天皇(北朝)を擁立したことに始まる皇位継承戦争です。光厳天皇の子である崇光(すこう)天皇が父とともに南朝軍に拉致されたため、北朝は弟の後光厳天皇が継承しました。
のち釈放された崇光天皇は伏見殿という山荘で余生を過ごされ、その皇子は伏見宮(ふしみのみや)という宮家を創設します。その2代後の後花園天皇から今上天皇まで、直系でつながっています。
幕末にこの伏見宮家を相続した邦家親王が子宝に恵まれ、孝明天皇および明治天皇の勅許を得て、次々に新たな宮家を創設しました。
敗戦まで存続したこれらの宮家を「11宮家」と称し、皇統断絶の際の皇位継承権を認められていたのです。敗戦後、最初の内閣を組織した東久邇宮(ひがしくにのみや)はそのお一人です。また、昭和天皇の皇后である香淳皇后(今上天皇の母君)は、久邇宮(くにのみや)家のご出身です。
この制度を破壊したのがアメリカ占領軍(GHQ)でした。
日本国民の圧倒的な支持を前に、昭和天皇の戦犯訴追に失敗したGHQは、皇室弱体化計画を立案します。皇位継承者の減少による、皇統の自然消滅を図ったのです。
11宮家はGHQの圧力で皇籍を離脱させられ、先祖伝来のお屋敷には莫大な財産税を課しました。旧宮家は財産税を支払うためお屋敷を売却せざるを得ず、そのいくつかは西武グループが買収してプリンスホテルが建てらてました。「プリンス」とは「宮家」の意味なのです。
旧宮家の方々は現在は民間人ですが、年に一度は宮中に参内して皇族ご一家との親交を重ねています。血統的には現皇室と同じく、「神武王朝」の男系の子孫なのです。
敗戦時の11宮家は、現在8宮家にまで減少しましたが、10代、20代の男子も複数いらっしゃいます。
これら旧宮家を皇籍に復帰させるだけで、皇位継承問題は解決します。
ご本人の意思を尊重することを前提とした話として申し上げますが、たとえば愛子さまや、秋篠宮家の眞子様、佳子様、あるいは三笠宮家の姫君が旧皇室の男子と結婚されるという方法もあるでしょう。
皇統断絶という最悪の場合でも、旧宮家の男子を養子に迎えて皇位を継がせるという方法もあります。その場合、養子縁組を認めていない皇室典範の改正が必要です。
旧宮家の存在をまったく報道せず、「女性宮家だ」、「女系天皇しかない」と騒ぐ大手メディアの世論誘導は、GHQの報道管制と何ら変わりません。偏った情報を流して世論調査をするから「女系容認派」が多数を占めるのです。大手メディアははじめから、皇統の廃絶、あるいは王朝交代を望んでいるとしか思えません。
女系天皇を論ずる前に、「旧宮家」についてきちんと報道しろ!
と思った方は、
(お手数ですが)下の「気持ち玉」をクリックしたあとで、こちらも
←クリックお願いします。
********************
(おまけ)
論評の価値もありませんが、延々続く「森友学園」報道も、「安倍叩き」という最終目的があります。
「用地買収で安倍夫人に口利きをしてもらった」という籠池(かごいけ)理事長をスターのように祭り上げた民進党・共産党。本質から離れたどうでもいい、いいかげんな情報をたれ流す大手メディア。
しかし確実な情報は何もでてこず、「昭和天皇が幼稚園に行幸」などと虚言を重ねた籠池氏の怪しさが露呈しただけ。しかも、籠池夫人が暴露した民進党の辻本清美議員と生コン業者との不透明な関係をテレビは黙殺。
民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」 民進党「拡散やめて」
(2017.3.28 00:19 産経)
http://www.sankei.com/politics/news/170328/plt1703280002-n1.html
これだけ偏向報道で大騒ぎしても、「笛吹けど踊らず」
内閣支持率はほとんど変わらず、日経の調査ではむしろ上がっています。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/cabinet-approval-rating/
米国の大手メディアが総力を挙げて叩いたトランプが大統領に当選し、日本の大手メディアが総力を挙げて叩いている安倍政権の支持率が落ちない。
メディアが世論誘導できる時代は、もう終わったのだ。
と思った方は、
(お手数ですが)下の「気持ち玉」をクリックしたあとで、こちらも
←クリックお願いします。
☆気持玉は管理人に執筆意欲を与えます。よろしくお願いします。
丸善・東京丸の内本店1F
N予備校世界史ネット講義
http://www.nnn.ed.nico/lessons/all
ご覧になるためには、アプリのダウンロード、会員登録(2017年3月5
月末まで無料。6月から月額1000円+税)が必要です。
文化放送オトナカレッジ「地政学講座」
12月の新刊。2冊とも増刷されました!
(1) 日本の皇室は、一千数百年以上続いた世界最古の王朝であること。
(2) 日本の皇位継承は、男系継承であること。
(3) 女系天皇(女帝が生んだ皇子が即位した例)は一例もないこと。
(4) 男系継承の原則を守れば、やがて皇族は悠仁(ひさひと)親王殿下お一人になること。
皇太子殿下のご兄弟が3人。そこから生まれたお子様たち4人の中で、男子は悠仁様お一人。
では、系図をさかのぼって男子を探せばいいではないか!
今上天皇陛下のご兄弟は、弟の常陸宮殿下。現在、81歳でお子様はなし。
4人の姉妹(内親王殿下)はいずれも結婚され、皇籍を離脱されました。
昭和天皇のご兄弟は、秩父宮、高松宮、三笠宮の男子4人。
秩父宮は肺結核で早く亡くなられ、高松宮はご長寿でしたがお子様はなし。
4男でオリエント学者の三笠宮殿下は男子3人に恵まれました。
長男・寛仁(ともひと)親王ーー「ヒゲの殿下」は咽頭癌で手術16回という壮絶な闘病生活を送られました。女子がお2人。
次男・桂宮(かつらのみや)殿下は病弱で生涯独身。
3男・高円宮(たかまどのみや)殿下はスポーツマンでしたが、スカッシュの試合中に心筋梗塞で急死。女子がお3方。
三笠宮殿下は、3人の男子に先立たれ、2016年に100歳で薨去されました。三笠宮殿下のお孫さま5名が全員女子ですので、結婚で皇籍を離脱されます。これで、三笠宮家は廃絶です。
関連記事:三笠宮薨去
http://mogiseka.at.webry.info/201610/article_4.html
さらに遡ってみましょう。
一夫一婦制を採用されたのは大正天皇からです。その前の明治天皇は一夫多妻でした。
ということは、大正天皇にはきっとたくさんの異母兄弟があったはず…
と思って調べてみたら、がく然としました。
大正天皇のご兄弟。
・長男:死産。
・長女:死産。
・次女:生後1歳で死亡。
・次男:生後1歳で死亡。
・3男:大正天皇
・3女:生後2歳で死亡。
・4女:生後すぐに死亡。
・5女:生後1歳で死亡。
・4男:生後1歳で死亡。
・6女:結婚で皇籍離脱。
・7女:結婚で皇籍離脱。
・8女:結婚で皇籍離脱。
・5男:生後1歳で死亡。
・9女:結婚で皇籍離脱。
・10女:生後2歳で死亡。
14人(男子5人、女子10人)生まれて、成人できたのは男子1人(大正天皇)、女子4人。
恐るべき幼児死亡率です。皇室でさえこうなのですから、庶民に至ってはどれほどのものだったか。江戸時代に人口が増えなかったのもうなづけます。
その前の孝明天皇には2男4女がありましたが、長男と4人の姫君は幼くして死亡。次男の明治天皇だけが成人しています。
ペリー来航に始まる幕末の危機の中で、皇統の断絶を避けるため、緊急手段が取られました。皇位継承権を持つ新たな宮家(みやけ)の創設です。
のちに「11宮家」と総称されますが、そのうち7家の源となったのが伏見宮(ふしみのみや)家。
伏見宮は孝明天皇のご兄弟ではありません。
ずっとずっと遡って、南北朝時代(14世紀)に皇統から別れた分家なのです。
南北朝の動乱は、鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇(南朝)に対し、足利尊氏が反旗を翻して光厳(こうごん)天皇(北朝)を擁立したことに始まる皇位継承戦争です。光厳天皇の子である崇光(すこう)天皇が父とともに南朝軍に拉致されたため、北朝は弟の後光厳天皇が継承しました。
のち釈放された崇光天皇は伏見殿という山荘で余生を過ごされ、その皇子は伏見宮(ふしみのみや)という宮家を創設します。その2代後の後花園天皇から今上天皇まで、直系でつながっています。
幕末にこの伏見宮家を相続した邦家親王が子宝に恵まれ、孝明天皇および明治天皇の勅許を得て、次々に新たな宮家を創設しました。
敗戦まで存続したこれらの宮家を「11宮家」と称し、皇統断絶の際の皇位継承権を認められていたのです。敗戦後、最初の内閣を組織した東久邇宮(ひがしくにのみや)はそのお一人です。また、昭和天皇の皇后である香淳皇后(今上天皇の母君)は、久邇宮(くにのみや)家のご出身です。
この制度を破壊したのがアメリカ占領軍(GHQ)でした。
日本国民の圧倒的な支持を前に、昭和天皇の戦犯訴追に失敗したGHQは、皇室弱体化計画を立案します。皇位継承者の減少による、皇統の自然消滅を図ったのです。
11宮家はGHQの圧力で皇籍を離脱させられ、先祖伝来のお屋敷には莫大な財産税を課しました。旧宮家は財産税を支払うためお屋敷を売却せざるを得ず、そのいくつかは西武グループが買収してプリンスホテルが建てらてました。「プリンス」とは「宮家」の意味なのです。
旧宮家の方々は現在は民間人ですが、年に一度は宮中に参内して皇族ご一家との親交を重ねています。血統的には現皇室と同じく、「神武王朝」の男系の子孫なのです。
敗戦時の11宮家は、現在8宮家にまで減少しましたが、10代、20代の男子も複数いらっしゃいます。
これら旧宮家を皇籍に復帰させるだけで、皇位継承問題は解決します。
ご本人の意思を尊重することを前提とした話として申し上げますが、たとえば愛子さまや、秋篠宮家の眞子様、佳子様、あるいは三笠宮家の姫君が旧皇室の男子と結婚されるという方法もあるでしょう。
皇統断絶という最悪の場合でも、旧宮家の男子を養子に迎えて皇位を継がせるという方法もあります。その場合、養子縁組を認めていない皇室典範の改正が必要です。
旧宮家の存在をまったく報道せず、「女性宮家だ」、「女系天皇しかない」と騒ぐ大手メディアの世論誘導は、GHQの報道管制と何ら変わりません。偏った情報を流して世論調査をするから「女系容認派」が多数を占めるのです。大手メディアははじめから、皇統の廃絶、あるいは王朝交代を望んでいるとしか思えません。
女系天皇を論ずる前に、「旧宮家」についてきちんと報道しろ!
と思った方は、
(お手数ですが)下の「気持ち玉」をクリックしたあとで、こちらも

********************
(おまけ)
論評の価値もありませんが、延々続く「森友学園」報道も、「安倍叩き」という最終目的があります。
「用地買収で安倍夫人に口利きをしてもらった」という籠池(かごいけ)理事長をスターのように祭り上げた民進党・共産党。本質から離れたどうでもいい、いいかげんな情報をたれ流す大手メディア。
しかし確実な情報は何もでてこず、「昭和天皇が幼稚園に行幸」などと虚言を重ねた籠池氏の怪しさが露呈しただけ。しかも、籠池夫人が暴露した民進党の辻本清美議員と生コン業者との不透明な関係をテレビは黙殺。
民進・辻元清美氏に新たな「3つの疑惑」 民進党「拡散やめて」
(2017.3.28 00:19 産経)
http://www.sankei.com/politics/news/170328/plt1703280002-n1.html
これだけ偏向報道で大騒ぎしても、「笛吹けど踊らず」
内閣支持率はほとんど変わらず、日経の調査ではむしろ上がっています。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/cabinet-approval-rating/
米国の大手メディアが総力を挙げて叩いたトランプが大統領に当選し、日本の大手メディアが総力を挙げて叩いている安倍政権の支持率が落ちない。
メディアが世論誘導できる時代は、もう終わったのだ。
と思った方は、
(お手数ですが)下の「気持ち玉」をクリックしたあとで、こちらも

☆気持玉は管理人に執筆意欲を与えます。よろしくお願いします。
丸善・東京丸の内本店1F
N予備校世界史ネット講義
http://www.nnn.ed.nico/lessons/all
ご覧になるためには、アプリのダウンロード、会員登録(2017年
月末まで無料。6月から月額1000円+税)が必要です。
文化放送オトナカレッジ「地政学講座」
12月の新刊。2冊とも増刷されました!
この記事へのコメント
保守・右翼の中でもこういった籠池理事のように腐った権威主義者がいるわけで、ヒトラーはそういう人間を粛清したというわけですね。
戦前の日本はこういった右の権威主義者を粛清せず野放しにした結果様々な悲劇が起きました。その権威主義者の末裔が今のメディアであり、このメディアが再びこういった権威主義者を祭り上げ、戦前弾圧された左翼の末裔達が政争の具として利用している状況を見ると辟易としますね・・。
むしろリサーチ会社への圧力もしくは『忖度』が存在すると考えるべきではないか。籠池問題と同じ構造がリサーチ業界、しいては日本全土に蔓延し、真実がねじ曲げられておることが大問題なんじゃ。
北のヒューミントの強さに感心しました。日本もあの辺は学ぶべきですね。他はともかく(笑)