ロシア軍のシリア空爆 「南京」のユネスコ登録

10/17(金)と10/24(金)は、オトナカレッジはお休みです。
過去の放送分は、こちらで聞けます。


ブログ更新が遅れて申し訳ありません...

論述テストの採点を片付けたので、この週末は12月に出す新書の最終チェックと、参考書の改定作業と、『新潮45』の原稿と…




よお~し。やっと、できた…(こういうカネにならない仕事って、とっても楽しい)


ロシア軍、シリアを空爆。
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ミサイルにはドーンと打ち上げて自然落下させる弾道ミサイルと、ジェットエンジン+翼付きで目標に向かって正確に飛んで行く誘導ミサイルがあります。

カスピ海のロシア艦隊から発射された誘導ミサイルが、イランとイラクの上空を1500km飛行し、シリア領内のIS(イスラム国)の拠点を破壊する様子を、ロシア国営メディアが放映しました。


どうやらこれらしい。
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3M-14。航続距離2,500kmは、米軍のトマホークと同じです。

この映像を見た金正恩同志は「欲しいっ!」と思ったはず。
「2,500kmあれば、日本列島全体と中国の3分の2をカバーできる。あとは原発をターゲットにするだけだ!」

いやいや同志閣下、巡航ミサイルは飛行機並みのスピードなので迎撃ミサイルで撃ち落とせるのです。日本軍、いや自衛隊には、パトリオットという高性能迎撃ミサイルシステムがあることをお忘れなく。

シリアとイラクは内戦状態で防空システムが崩壊しており、イランは対IS戦でロシアと共闘関係にあるので、ミサイルの領空飛行を許可したのです。

シリア内戦は「三つどもえ」のまま膠着状態が続いています。

アサド政権(親露)
  vs
IS(イスラム国)
  vs
クルド人勢力+自由シリア軍(親米)

そもそも「アラブの春」を演出してアサド政権を倒そうとしたのはアメリカです。

イラクのサダム・フセイン、リビアのカダフィ、シリアのアサド。いずれも親露反米のアラブ民族主義、軍事独裁政権でした。最後に残ったアサドを倒せば、「中東の解放」が完成する、というのがアメリカの考えでした。反アサドの民兵組織・自由シリア軍という親米勢力を支援しますが、混乱は続きます。

結局「アラブの春」は、独裁政権によって封印されてきたパンドラの箱を開けてしまった。中から飛び出してきたのが、IS(イスラム国)という妖怪でした。

泥沼のイラク戦争の教訓から「世界の警察をやめた」と宣言したオバマは、シリア内戦への地上部隊の投入をためらいます。ISの民間人殺戮が目に余るようになって、ようやく限定的な空爆を開始しましたが、どうも腰が引けている。地上戦は自由シリア軍とクルド人勢力に丸投げ。自由シリア軍は士気が低く、アサド政権軍とISの双方から攻撃され、苦境に立っています。

プーチンがロシア軍のシリア空爆に踏み切ったのは、ダラダラ続く三つどもえの膠着状態を打開し、中東最後の親ロシア政権であるアサド政権をテコ入れするのが第一の目的。

ISに紛れ込み、ロシア国内でのテロを画策するチェチェン人過激派を掃討するのが第二の目的。

ついでに親米勢力も排除して、シリア和平の主導権を握ろうというのが第三の目的でしょう。

アメリカの激しい反発は想定内。2016年アメリカ大統領選の結果次第では、対ロシア強硬派政権が誕生するかもしれない。やるなら今、何も決断できないオバマ政権のうちだと、プーチンは考えている。すでにロシア地上部隊がシリアに派遣され、待機しています。

ロシアの軍事介入に、激しく反発しているのが、イスラエルとトルコ。

イスラエルのネタニヤフ政権は、ゴラン高原をめぐるシリアとの領土紛争を抱え、シリアのアサド政権が支援するパレスティナ過激派ヒズボラのテロに手を焼いています。ですから「反アサド」でISと利害が一致しています。

ISを率いる自称カリフ、バグダディ容疑者は、モサド(イスラエルの情報機関)の工作員だという未確認情報もあります。ISがイスラエルに対してはまったく攻撃しないのも実に奇妙です。

トルコのエルドアン政権は、国内にクルド独立問題を抱えているので、「反クルド」ではISと利害が一致。逆に言えば、クルド独立運動が激化することをISは望んでいる。

10月5日 シリアで行動するロシア軍機がトルコ領空を侵犯

露軍機がトルコ領空侵犯 ケリー米国務長官「撃墜の可能性あった」(10月6日 産経)
http://www.sankei.com/world/news/151006/wor1510060035-n1.html

10月10日 トルコの首都アンカラで国内最悪の連続爆弾テロ。
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標的になったのは、トルコ政府とクルド人との融和を訴える左派の集会です。死者90人以上。まさに血の海。テロというのは、卑劣極まる犯罪です。犯人は融和に反対するクルド過激派か。あるいは混乱を利用するISか。


トルコ爆弾テロで95人死亡、ロシアが対テロで強調呼びかけ(10月10日 TBS)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2609914.html

トルコはNATO加盟国です。ロシア軍のシリア介入は、NATO軍との緊張も高め、ウクライナ問題で悪化していた米露関係はさらに悪化します。アメリカは日露の接近をも妨害するでしょう。これを見てほくそ笑むのは習近平です。孤立を深めるプーチンに寄り添うポーズを見せ、日露接近を牽制するでしょう。

中露を分断して中国包囲網を形成するという安倍外交は、正念場を迎えました。

**************************

1930年代の中国の状況は、今のシリアとそっくりでした。

中央政府が弱体で、反政府勢力が地方に割拠している。反政府勢力同士でも戦っている。各勢力の背後には、列強の支援がある。

1.南京国民政府
上海に拠点を置く米英の金融資本、その配下の浙江財閥と結びついた独裁政権。上海クーデタで政権を握った蒋介石は、浙江財閥の娘と結婚し一族で政権を私物化、腐敗しきっていました。国民政府と称しながらまともな選挙をしたことは一度もなく、国民の支持などなかった。ロシアの支援で独裁体制を維持しているシリアのアサド政権みたいなものです。

2.満州国
清朝最後の皇帝で満州人の宣統帝溥儀が、地下資源の確保を狙う日本軍と日産などの日系企業に「おんぶに抱っこ」の形で政権を維持。米軍と国際石油資本の支援で政権を維持しているクルド人勢力みたいなものです。

3.中国共産党(紅軍、八路軍)
モスクワのコミンテルン(共産主義インターナショナル)の支部として設立された中国共産党が、国民政府に追われて内陸部に移動し(長征)、支配地域を「解放区」と称して国民政府に対するゲリラ戦を展開。

暴力による世界革命を掲げるコミンテルンは、いまのアルカイダみたいなもの。その支部として生まれ、やがてコミンテルンと袂を分かつ中共は、IS(イスラム国)みたいなものです。彼らは「解放区」で地主や資本家を「人民の敵」としてリンチにかけて殺しましたから、残虐性においてもISそっくりです。

南京国民政府(親英米)
  vs
満州国(親日)
  vs
中国共産党

三つどもえの戦いのときには、敵同士を争わせて漁夫の利を得るのが常道。

米英は日本軍と共産ゲリラを戦わせ、共産党は日本軍と国民政府軍を戦わせようとさまざまな謀略を行いました。北京近郊の盧溝橋で軍事演習を行っていた日本軍に銃弾を打ち込んだ犯人はわかっていませんが、日中全面戦争勃発で漁夫の利を得たのは、間違いなく共産党です。

日本は国民政府と連携し、共産ゲリラ掃討を優先すべきでした。

ところが困ったことに、日本の近衛首相の側近、マスコミ内部に隠れ共産党員がたくさんいて(その代表が尾崎秀実)、「国民政府軍討つべし、南京攻略!」とけしかけた。国民政府内部にも隠れ共産党員がたくさんいて、通州では中国兵が日本人居留民を惨殺、国民政府軍は上海の日本人租界(居住区)を包囲、攻撃しました。

日中戦争の原因については、調べれば調べるほどわからなくなるのですが、共産党の謀略と考えれば合理的な説明がつきます。シリア内戦に例えれば、アメリカ政府内部にISの工作員がいて、IS攻撃よりアサド政権攻撃を優先するよう、そそのかしているようなものです。

この作戦が功を奏し、宣戦布告なき全面戦争の中で国民政府は共産ゲリラを配下に組み込み(第2次国共合作)ます。日本軍は南京を攻略。近衛内閣は「国民政府を相手にせず」と和平交渉の道を自ら閉ざしました。内陸の重慶まで後退した国民政府を支援する形で米・英とソ連の同盟関係が成立、連合国、戦後の国際連合の母体となったのです。

日本軍との戦いで中戦争で国民政府軍が疲弊したのを見届けた中共は、日本軍の撤退と同時に国共合作を反故にし、満州に侵攻したソ連軍から武器を供給されて中国本土を統一。北京に中華人民共和国を樹立しました。

国民政府は日本兵捕虜に対する南京戦犯法廷で「南京虐殺」問題を持ち出し、BC級戦犯を処刑しました。東京裁判でもこれが持ち出され、南京攻略戦の司令官、松井大将をA級B級戦犯として絞首刑に処したのです。

「南京虐殺」を世界で初めて報道したのは英マンチェスター・ガーディアン紙の豪州人記者ティンパーリです。彼は国民政府の宣伝機関である国民党宣伝処の協力者であり、米国の対日参戦を促すため、日本軍の戦争犯罪をフレームアップする任務を負っていました。陥落前に南京を離れたティンパーリが書いた『戦争とは何か What was war』は、「南京虐殺」報道の第1号、戦争プロパガンダの「傑作」です。

南京の金陵大学(南京大学)で社会学を教えていたルイス・スマイス教授。社会学的調査によって南京攻略戦の民間人犠牲者数を算出した「南京における戦争被害」、通称「スマイス報告」を書いた人物です。

死者・行方不明者
南京市内 6,600人
近郊農村 33,470人

のちに「南京虐殺」と呼ばれる被害者数を学問的に算出したのは、このスマイス報告だけです。現在、中国政府が主張している30万人虐殺とはケタが違います。3万人でも民間人の殺害は虐殺ですが、日本軍の略奪で殺されたのか、中国兵の焦土作戦や略奪の犠牲になったのか、検証する必要があります。

米国聖公会の宣教師ジョン・マギーは、南京陥落後も南京に残って南京安全区(難民保護区)国際委員会の幹部を務め、陥落直後の南京を密かに16ミリフィルムに撮影しています。

このマギーフィルムこそ、中国政府が「大虐殺の動かぬ証拠」とする唯一の動画です。米軍の戦意高揚プロパガンダ映画『バトル・オブ・チャイナ』や、ベルトルッチ監督の映画『ラスト・エンペラー』、NHKの『映像の世紀』でも、その一部が使われました。

とはいえ、虐殺シーンが映っているわけではなく、日本兵に誘導される群衆や、路上の遺体、病院に収容された負傷者の姿が映され、「虐殺現場に向かう群衆」、「日本兵に強姦された女性」などの英文のコメントがつくのです。


東京裁判で証拠とされたのは、

1.「虐殺を見た」という宣教師や住民の証言
2. 中国版赤十字である紅卍会(こうまんじかい)の埋葬記録
3. 中国軍の捕虜となった日本兵の証言です。

あまりに漠然とした内容のマギーフィルムは、東京裁判では証拠として採用されていません。

マギー本人も東京裁判で証言しています。
「あなた自身が目撃した虐殺事件は何件あったのか?」との反対尋問に対し、マギーは
「1件だけだ」
と正直に答えています。残りは全て伝聞で、その程度の情報をもとにマギーフィルムは作られているのです。

映画『プライド』に登場するマギー神父


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言葉には定義があり、定義があいまいなまま議論を続けても結論は出ません。

戦争とは殺人の合法化です。その意味では、すべての戦争が虐殺行為と言うこともできます。

スターリングラードの戦いで、ソ連軍は20万人のドイツ軍を壊滅させました。硫黄島の戦いで、米軍は約2万人の日本軍を壊滅させました。しかし、スターリングラードの虐殺、硫黄島の虐殺とは言いません。戦闘員同士の戦いは戦時国際法上、合法だからです。プロボクサー同士がリング上で殴り合って相手を負傷させても、傷害罪には問われません。

しかし、ボクサーがリングを降りて、客に殴りかかったら、傷害罪で現行犯逮捕されます。

戦争も同じことで、戦闘員同士の殺し合いは罪に問われませんが、戦闘員(兵士)が非戦闘員(一般市民)を殺傷すれば、戦争犯罪として告発されます。たとえば、都市に対する無差別爆撃は、一般市民の殺傷を目的にしたものですから戦争犯罪です。日本軍の重慶爆撃も、ドイツ軍のワルシャワ爆撃も、英軍のドレスデン爆撃も、米軍の東京大空襲も、もちろん広島・長崎も同じです。

中国政府の主張は、1937年12月の南京攻略戦から翌年1月、2月にかけて、日本軍が30万人の南京市民を組織的、計画的に虐殺した、これはアウシュヴィッツにおけるドイツのユダヤ人虐殺に匹敵する戦争犯罪だ、というものです。「30万人虐殺」の主張は戦後の南京戦犯法廷で初めて登場しますた。東京裁判では「20万人虐殺」、現在の中国政府の主張は「30万人虐殺」です。

南京の人口については、市内の国際安全区(難民保護区)委員会を組織していた外国人宣教師らの記録があります。日本軍は安全区委員会と協定を結び、国際安全区に対する砲撃をいっさい行いませんでした。安全区以外の南京市街は日本軍の砲撃で灰燼に帰し、市内に残った住民はすべて安全区に避難していました。
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地図はこちらからお借りしました。
http://kuso-chishiki.jugem.jp/?eid=2023

南京国際安全区委員会のメンバー(Wikipedia)
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この安全区に避難していた南京市民の数を安全区委員会が公表しています。

1937年12月の陥落直前  20万人
1938年1月の日本軍占領下 25万人

戦闘が終わって城外から避難民が戻ってきて5万人増えたのです。

中国政府は、1937年12月13日の南京陥落から1938年1月までの間に、日本軍が30万人の南京市民を虐殺したと主張しています。
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20万人-30万人=25万人

という不思議な計算です。

中国政府は計算が苦手らしいので人数はさておき、仮に日本軍占領下の南京で数万人、数十万人単位の虐殺が続いていたとすれば、そこに避難民が戻ってくることは考えられない。今のシリアで、ISの占領地に向かって集まってくる避難民なんていません。

日本軍占領下で、安心して暮らせると判断したから避難民は戻ってきたのです。

1937年12月20日(陥落1週間目)。2人の日本兵が物売りの子に戦闘帽を被らせて南京市民の笑いを取っています。どうしてだれも怖がってないんですか? こうやってなごんだあとで虐殺したんですか?
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(『支那事変写真全集』1938年)



以上のことから、「30万人虐殺」という数字は史実ではなく、中国政府のプロパガンダ(政治宣伝)であると私は判断しています。

1945年のベルリン陥落時には、ベルリン女性の半数がソ連兵によって強姦されました。

米軍は6年間の日本占領期に、3万件の強姦事件を起こしています。

ベトナム戦争の時には、米兵や韓国兵による一般市民の殺戮が繰り返されました。

中国兵による清野作戦(焦土作戦)で家屋を破壊され、ゲリラや脱走兵によって身ぐるみ剥がれ、略奪強姦された中国民衆も多かったのです。ゲリラや脱走兵は日本軍の追求を逃れるために避難民に化けたのです。日本軍の南京入城時に、脱ぎ捨てられたおびただしい数の軍服が路上に散乱していました。

こういう明らかな戦争犯罪の場合は、個々の事件の容疑者を特定する必要があります。

南京戦に従軍した日本軍将兵の記録にも、捕虜の処刑、民間人に対する暴行に関する証言が複数あります。上海派遣軍を引きいた松井大将も、南京入場式のあとで涙を流して部下を叱っています。個々の兵士による戦争犯罪はあったと私は考えます。

南京城内の掃討にあたった第16師団を率いたのが中島今朝吾(けさご)中将。敗戦直後に病死した中島中将が残した日記には、「虐殺の証拠」とされる有名な記述があります。

大体捕虜はせぬ方針なれば、片端より之を片付くることとなしたるも、千、五千、一万の群衆となれば、之が武装を解除することすら出来ず、唯彼等が全く戦意を失いぞろぞろついて来るから安全なるものの、之が一旦騒擾せば始末に困るので、部隊をトラックにて増派して監視と誘導に任じ…

一、後に至りて知り処に拠りて、佐々木部隊だけにて処理せしもの約一万五千、太平門に於ける守備の一中隊長が処理せしもの約一三〇〇、其仙鶴門附近に集結したるもの約七八千人あり、なお続々投降し来る。
一、この七、八千人、これを片付くるには相当大なる壕を要し、中々見当らず。一案としては百、二百に分割したる後、適当の箇処に誘きて処理する。

(『南京戦史資料集』 偕行社 P.219-220)

捕虜を「片付くる」、「処理する」が何を意味するのか不明確ですが、「片付くるには大きな壕を要し」とあるので、処刑して埋めたんだろうと考えるのが自然でしょう。投降した捕虜の処刑は戦時国際法違反です。

この点については、綿密な史料調査をすべきです。

そのことと、中国政府のプロパガンダを鵜呑みにすることとは、全く別次元の話です。

公平を期すため、中国政府の言い分も貼っておきまます。

問題のシーンは27:51-
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これは実は、上海クーデタ(1927)を起こした蒋介石の国民政府軍が、中国共産党員の処刑を記録したフィルム。

ロバート・キャプラ監督がこれを「南京における日本軍の中国人虐殺シーン」として編集したものです。戦争プロパガンダは、ここまでやります。

********************

中国政府が提出した「南京大虐殺資料」がユネスコの世界記憶遺産 Memory of the World
http://www.unesco.org/new/en/communication-and-information/flagship-project-activities/memory-of-the-world/register/full-list-of-registered-heritage/registered-heritage-page-1/

に登録されました。

UNESCO(国連教育科学文化機関)
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世界記憶遺産は、マグナ・カルタとか、グーテンベルク聖書とか、訓民正音の原本とか、現代のものでは『アンネの日記』の原本など、永久に保存すべき記録(ドキュメント)をユネスコが登録するものです。

中国は、南京の他に「日本軍の従軍慰安婦資料」も提出しましたが、こちらは却下されました。

何か新しい、決定的な史料でも出てきたのでしょうか?

どんな資料が登録されたのか、ユネスコのHPにはまだ掲載されていませんが、中国共産党の機関紙・人民日報がその一部を(したがって最も重要な部分を)紹介しています。

中国側の世界記憶遺産登録申請は筋が通り法規に合致
こうした資料の中の唯一の映像資料は、当時南京に滞在した米国人牧師ジョン・マギーの撮影した105分間の映像だ。30カ所余り刺されて息も絶え絶えの妊婦が撮影されている。彼女が南京大虐殺の生存者、李秀英さんだ。報道によると、2004年に李さんが亡くなる前の最後の言葉が「歴史をしっかりと覚え続ける必要がある。恨みを抱き続けるのではなく」だった。
(人民網日本語版 2015年10月16日09:01)
http://j.people.com.cn/n/2015/1016/c94474-8962820-2.html

同紙中国語版には、
http://js.people.com.cn/culture/n/2015/1011/c360308-26735484.html
マギーフィルムの他に、金陵女子文理学院の教師だった程瑞芳の日記(日本兵による女学生拉致を証言)、BC級戦犯として南京で処刑された谷寿夫中将(第6師団長)の判決文が写真付きで掲載されています。谷の第6師団は南京攻略の後、1週間で南京を離れています。「仮に虐殺があったとすれば16師団の中島今朝吾中将の責任だ」と谷中将は無罪を訴えましたが、南京の法廷は「連帯責任だ」と一蹴し、谷を銃殺刑にしました。

いずれにせよ、中国政府が総力を挙げて集めた「南京市民30万人虐殺の証拠」がこれしかなかった、ということです。

日本政府は、菅(すが)官房長官が強い遺憾の意を表し、日本政府はユネスコへの拠出金停止を検討しています。安倍首相は来日中の楊潔チ(ようけっち)国務委員(中国外交のトップ)に、「過去の不幸な歴史に、過度に焦点を当てるのではなく、未来志向の日中関係を構築していくべきだ」と伝えました。

安倍さん。

「不幸な歴史に焦点を当てるな」

では、日本が都合の悪い歴史を隠そうとしているかのように中国側は宣伝しますよ。

いや、もうすでに宣伝してるし。

中国報道官「日本がユネスコを公然と脅迫」と反発(2015.10.13 19:33 産経)
http://www.sankei.com/world/news/151013/wor1510130029-n1.html

だからむしろ日本側から、

「南京攻略戦について、あなた方の主張する事実関係があったのか、なかったのか、日中両国が持っている史料を全部出し合って、白日のもとで討議しよう!」

「なんならユネスコ内部に特別委員会を作って、資金は日本が出しても良い」

と提案すべきです。史料の数、研究の積み重ねで日本側が圧倒的に有利なのですから。

中国政府は、常に密室での協議を好みます。相手を脅迫したり、買収したりできるからです。いじめっ子が、「昼休み、体育館の裏に来いや」と呼び出すのと同じです。

ユネスコの人事権を握っているのがこの人。

イリナ・ボコバ事務局長(元ブルガリア外相で共産党員)。
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ボコバ事務総長は、パンギムンのあとの国連事務総長候補の一人で、9月の対日戦勝軍事パレードで北京に招かれています。「体育館の裏」ならぬ「天安門の裏」で、彼女は習近平に何を言われたのか?
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あ、そうそう。

ユネスコの世界記憶遺産は個人でも登録申請できるそうです。

「文化大革命と天安門事件をユネスコ記憶遺産に登録しよう!」
という署名をやってますので、紹介します。私も署名しました。

1989年6月4日 天安門
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大事な記録は永遠に残して歴史に学ばないとね。

習近平さん!





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この記事へのコメント

ルファイン
2015年10月16日 19:52
いつも楽しくブログを拝見させていただいております。
お忙しいでしょうがどうぞお体にはお気を付けてください・・
「思想家たちの格闘」も先日購入させていただきました。
難解な哲学、思想を歴史、ストーリーから学べるという画期的な本でした。「哲学は世界史から学べ!」といった趣でしょうか。
ちなみに12月に出される新書の出版社はどちらですか?
管理人
2015年10月16日 20:32
そう言っていただけると元気が出ます。『思想家たち』はAmazonレビューがまだ少ないので、もしよろしければ一言頂けるとありがたいです。

12月に出すのはSB新書さんからで、最新のニュース解説+世界史という趣です。
マジマジ
2015年10月17日 00:39
改訂版ってセンターの奴ですか?
ルファイン
2015年10月17日 01:14
お返事ありがとうございます。今までAmazonレビューは書いたことないのですが今度やってみます。

ソフトバンク新書ですね、楽しみにしております。新書は持ち運びしやすいので助かります。
先日、他の方もコメントされていましたが「世界史Bの点数が面白い~」は自分も文庫、またはオーディオブック化を希望します。学参売場だけに置いておくのは勿体ない凄い本です。
管理人
2015年10月17日 03:16
マジマジ様
改定するのはセンター本と東大本です。

ルファイン様
なるほど、オーディオブック化という手もありましたね。出版社に伝えておきます。
K
2015年10月19日 23:29
元受講生です。ブログ読ませていただいております。
東京裁判の判決で処刑された松井石根大将は、BC級戦犯としての処刑ではありませんか?
管理人
2015年10月20日 04:11
松井大将はA級戦犯(侵略戦争を計画)として訴追されたが立証できず、B級戦犯(捕虜虐待など通常の戦争犯罪)として処刑された、というのが正しかったですね。

訂正します。ありがとうございます。
バロンドーラー
2015年10月21日 21:32
お忙しいようですのでお体にはお気をつけください。
韓国の中国傾斜が加速して日米vs中韓の図式ができあがりつつあるような気がします。しかしアメリカは完全にこちら側とは言い切れないのが嫌な感じですし…ロシアもなかなか厳しい。なんだかまずい気がします。習近平はイギリスでも反日宣伝に終始し、イギリスも国賓待遇。イギリスはいつものように甘い蜜を吸おうとしてるのでしょうが、習近平は反日教育の元祖である江沢民と張るぐらい日本にとって最悪な気がします。江沢民当時がどうだったのかはよくわからないのですが、先生はどうお考えでしょうか。
管理人
2015年10月22日 02:04
イギリスの対中傾斜は異常です。ダライ・ラマとの会見を拒否、香港の雨傘デモ鎮圧を黙殺、AIIBに真っ先に参加、習近平を国賓で迎える。キャメロン(一応、保守党)は河野洋平並みです。

江沢民と比べ、習近平は稚拙です。力で押すばかりで、ベトナムもフィリピンも日本も、完全に敵に回してしまいました。安倍政権が長期政権化し、先島諸島への自衛隊配備、特定機密法、安保法制を実現したのも、日本を脅迫しすぎたためです。

だから「習近平さん、ありがとう」

…という内容の新書本を12月に出します。乞うご期待!
バロンドーラー
2015年10月22日 08:51
「人権より経済関係優先だ」どこかの国の人権団体が大騒ぎしそうな台詞です。キャメロンがここまでひどかったとは知りませんでした。晩餐会を欠席したチャールズ王太子はまともな人のようですね。

なんとタイムリーな新書でしょうか!楽しみにしております。
Togozo
2015年10月22日 09:37
先生、お元気ですか?

対中傾斜だからといって、中国製原発をイギリス国内に作ってもらうのは一線を越えた感がありますね。
(自分で作れるのになぜ?)
財務大臣は、赤字を減らすためならヤミ金➕会社(手抜き工事と事故隠蔽が頻繁の)に任せてもいいのか?
どうみてもこれを主導している彼、中国とはここまでの関係をどうもつに至ったのでしょうか?
河野みたいに弱みでも握られたのでしょうかね。
つまるところ、安全性よりカネなんですかね、先生はどう考えますか?
よろしくお願いします
カストロ
2015年10月22日 22:39
イギリスの植民地支配について質問です。北米植民地とイギリス本国の関係です。ピルグリム=ファーザーズが上陸する前から北米には誰かがすでに植民していたのでしょうか。先住民の迫害を始めたのも彼らでしょうか。また、彼らは本国を嫌がって移住したのに、本国と交易を行い、イギリスもそれに異を唱えなかったのはなぜでしょうか。
カストロ
2015年10月23日 00:28
あとどうでもいい質問ですが、イギリスのパーマストン外相の名言「永遠の敵も永遠の味方も~」の英訳はご存知でしょうか。探しても見つかりません。お願いします。
卒業生
2015年10月23日 01:17
更新楽しみにしてます。
中々いそがしいと健康が疎かになりがちですが、お体には気をつけてください!
Togozo
2015年10月23日 02:45
カストロさん

Therefore I say that it is a narrow policy to suppose that this country or that is to be marked out as the eternal ally or the perpetual enemy of England. We have no eternal allies, and we have no perpetual enemies. Our interests are eternal and perpetual, and those interests it is our duty to follow.
Lord Palmerston

出処はこちら
https://www.goodreads.com/author/quotes/1581470.Lord_Palmerston
カストロ
2015年10月23日 09:41
どうもありがとうございます。
管理人
2015年10月23日 10:50
Togozo様
キャメロン個人より、その背後に誰がいるのか?
中国とズブズブの英国系金融資本(シティ)と、中国からの撤退を始めた米国系金融資本(ウォール街)との覇権争いが起こっている、と考えれば、説明がつきます。

カストロ様
移住者には2種類いて、政治難民(ピューリタン、ピルグリム・ファーザーズ)は北部のニューイングランドに、経済難民(貧農)はヴァージニアなど南部に移住しました。

温暖な南部ではタパコ・プランテーションを営み、本国でのタバコ需要の拡大に支えられて発展します。

先住民迫害はどちらもやっています。小著『思想家たちの格闘』第2章でこのことを書いています。
Togozo
2015年10月23日 22:34
先生
お返事ありがとうございます。

確かに言われてみれば、オズボーンよりも金融界とつながりが強いのはキャメロンですからね。その彼が金融界の意向をうけて、中国との関係を重視するのですね。
それが、今回の訪英での、国賓待遇、国会演説、イギリスでの人民元立て銀行決済、中国による投資などと、いかにも金融界の喜びそうな内容が盛り込まれてるわけですね。
カストロ
2015年10月24日 00:56
今回の英中接近についてこのような記事を見つけました。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45982 簡単に言うと、「英国はミュンヘン会談を繰り返すな。」という内容です。あの時は宥和政策という理想主義に走った結果、ドイツの増長を招きました。この記事では、地理的に離れた中国が英国の安全保障上の脅威になることはないが、ロシアの増長を許すことになりかねないと述べています。マグナ=カルタ800周年記念式典で、民主主義の礎アピールをしておきながら、中国の人権問題につっこまないのは、まさに宥和政策ではないでしょうか。「特別な関係」にあるという米国との関係にも冷や水を浴びせることになりかねませんし、なんだか今の英中関係は中韓関係に似ている気がします。先生はどう思いますか。
ドラグーン
2015年10月24日 01:34
ソフトバンクの新書は、書き下ろしですか?それともインタビューを書き起こした感じでしょうか?

また、SB出版さんからはいつごろから出版以来がきたのでしょうか?

興味本位ですがおしえていただければ幸いです。
管理人
2015年10月24日 02:04
カストロ様
ミュンヘン会談のときも「チェンバレンが理想主義者だったから」ヒトラーに妥協したというより、ドイツに投資している米英の金融資本が、対独戦争を望まなかったからというのが真相のようです。米英の対独投資は、ドーズ案に始まります。菅原出さんの『アメリカはなぜヒトラーを必要としたのか』に実例が列挙されています。

ドラグーン様
昨年9月にお話をいただき、今年3月にインタビューを受けました。
ドラグーン
2015年10月25日 00:26
冬期講習などで、朝コマと夜コマのある日は睡眠時間が少なくなるのではないですか?(9時頃講義がはじまり、終わるのが22時?質問対応をしていたら…23時頃?)

どうやって対処されていますか?個人的な質問ですみません。
管理人
2015年10月25日 04:20
移動の車中で爆睡します! (> <) ZZZZzzzz
ドラグーン
2015年10月25日 15:23
そうですか。生活リズムがくずれそうで、自分なら無理ですね。。。
どうかお体にお気をつけください!
ドラグーン
2015年10月27日 02:34
たびたびすいません。

茂木先生は、僕から見ると(先生はそうとは思っていないと思いますが)保守派の論客だと認識しています。が、先生の職場は(というより歴史を教える人は皆?)リベラル派が多数な気がして、仕事をするうえで、行く先々でそういった人と接触するために肩身が狭い思いをしているような印象を勝手に抱いているのですが、同僚と付き合っていくうえで、肩身が狭いと感じたりしたことがありますか?(間違ってたらすみません)

あと、関係ないですが、実家の猫が病気で今ダウンしているので、ヒマちゃんも健康診断をして早めに病気を見つけておくといいと思いました。自分は、早期発見できませんでしたので、今闘病しています。
管理人
2015年10月28日 02:43
それは心配ですね。病気を撲滅するというのは西洋医学的な発想で、東洋医学では病気を受け入れる、という発想をします。天が「休め」「充電しろ」といっているのでしょう。

うちの娘は毎年予防注射を受けています。そろそろ更年期(不妊手術したから関係ないけど)ですが、毎日2.5メートルのチャットタワーによじ登っては飛び降りるほど体力が余っています。

職場では思想統制は一切ありません。年1回の「教授会」はカリキュラムの確認だけ。「こういう風に教えろ」みたいなことは、一切ないのです。講師は基本的に「独立営業」です。学生に受け入れられるかどうか、それだけが勝負です。
ドラグーン
2015年10月28日 13:08
ご返信ありがとうございます。
ヒマちゃんが元気そうでなによりです。

ところで、オバマが南シナ海にイージス艦の派遣を許可したことを先生はどう思いますか?対応が遅いでしょうか?

軍事衝突にはなりませんでしたが、アメリカの軍高官によれば、継続的に実施しないとあまり意味がないといっていましたが。。。

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