プーチンと安倍 対中包囲網の形成
安倍・プーチン会談(APEC首脳会議 2007.9.3)
日本から「重要なシグナル」=北方領土問題でロシア大統領
【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は20日、モスクワで内外メディアを集めた大規模な記者会見を行い、北方領土問題について「(衆院選で勝利した自民党から)平和条約締結への重要なシグナルが送られている。われわれはこれを高く評価し、建設的な対話を行う用意がある」と問題解決に意欲を示した。
ロシア国営テレビなどは衆院選直後、ロシアとの領土問題解決と平和条約締結を期待すると表明した自民党の安倍晋三総裁の発言を繰り返し伝えており、これを指したものとみられる。プーチン大統領が日本での政権交代と今後の日ロ交渉に臨む姿勢に言及したのは初めて。(2012/12/20-22:46 時事)
日露首脳 平和条約へ作業活発化で一致
安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と約20分電話会談し、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発化させることで一致した。首相はオーストラリアやインド、インドネシア、ベトナムなどの各国首脳とも電話会談し、軍事面で台頭する中国をにらみ「対中包囲網」の構築にも踏み出した。
安倍首相はプーチン大統領に「北方領土問題の最終的な解決に向け、双方が受け入れ可能な解決策を見いだすべく努力をしたい」と呼びかけた。大統領も「平和条約に関する作業をより活発化するよう両国の外務省に指示を出す必要がある」と応じた。
大統領は首相の就任に対する祝意を伝えるとともに訪露を要請。平成25年(2013)中で調整することになった。
オーストラリアのギラード首相には「安全保障協力が着実に深化していることは喜ばしい」と強調。ギラード首相も「安保協力をさらに強化していきたい」と述べた。
インドのシン首相には「日印は最も可能性のある2国間関係だ」と指摘した。南シナ海の領有権をめぐり中国と対立するベトナムのグエン・タン・ズン首相や、インドネシアのユドヨノ大統領とも会談した。
アジア太平洋地域以外では英国のキャメロン首相とも電話会談。「基本的価値と国際社会での利益と責任を共有しており、十分協調していきたい」と述べた。「安保について地球規模で俯瞰(ふかん)し戦略的に対応する」(首相周辺)との観点から英国とも会談したという。
(2012.12.28 23:45 産経)
麻生副総理、ミャンマー訪問へ…経済協力強化
麻生副総理・財務相は2~4日、ミャンマーを訪問する。
テイン・セイン大統領らと3日に会談し、円建て融資(円借款)などを通じた経済協力を強化する意向を表明する考えだ。老朽化した火力発電所の改修や工業団地開発などの整備などを後押しする。
民主化が進み、成長が著しいミャンマーには、日本はじめ各国企業が相次いで進出している。政府は、日本企業がさらに進出しやすいように道路や情報通信網といった社会インフラ整備も支援する方針だ。
政府は昨年11月、500億円規模のミャンマー向け円借款を今年2月にも再開することを決めた。円借款の再開は26年ぶり。
アジア各国もミャンマーへの投資を増やそうとしており、政府は、首相経験者の麻生氏の訪問で、日本の存在感をアピールしたい考え。麻生氏は4日、最大都市ヤンゴン近郊の工業団地も視察する。
(2012年12月31日20時13分 読売新聞)
中国、首相への祝電の有無公表せず 尖閣が影響か
【北京=島田学】中国政府は27日時点で、温家宝首相が安倍晋三首相宛ての祝電を送ったかどうかを公表していない。指導者交代時の祝電のやり取りは外交上の慣例。これまでは中国の国営新華社が日本の首相が就任した当日中に祝電を送ったことを伝えている。中国側は沖縄県・尖閣諸島を巡る対立を受けて対応を変えたとみられる。
中国側の今後の対応は不明だ。新華社も27日時点で祝電の有無を伝えていない。一方の安倍氏は、11月の中国の習近平総書記就任時に「自民党総裁」の肩書で中国側に祝電を送っており、新華社なども報じている。
中国外務省の華春瑩副報道局長は27日の記者会見で、祝電のやり取りの有無について「提供できる情報はない」と述べるにとどめた。一部には、温氏は祝電を送ったが、中国国内世論の反発を恐れ、祝電を送った事実を公表しないと決めたとの見方も出ている。
(2012/12/27 21:59 日経)
第1期プーチン政権は、ブッシュJr政権が9.11を機にアフガン戦争、イラク戦争を引き起こし、米国一極支配を強めた時期と重なります。
NATO軍のアフガン駐留を警戒したプーチンは、米国牽制のため中国の江沢民政権に急接近し、露・中・中央アジア5カ国による上海協力機構を設立しました。経済協力のほか、共同軍事演習も行う「ユーラシア同盟」です。ソ連崩壊の後遺症に苦しんでいたロシアにとって、高度経済成長が続く中国は石油・天然ガスと兵器の市場としても魅力的でした。
それから10年。
強大化しすぎた中国は、ロシアの安全をも脅かすようになりました。
世界の人口地図 中国(黄緑色)の北、ひものように見えるのがロシア。
ソ連極東管区の人口は、ソ連崩壊時から2割減の600万人。一方、中国東北3省(旧満州)の人口は1億人です。
旧満州からシベリアへ、合法・違法を問わず中国人移民が大量に流入しつつあり、このままいけばロシア人は少数派になります。プーチン政権は、大規模な不法移民取締りを始めました。とくにウラジヴォストークを含む沿海州は、アロー戦争に乗じてロシアが清朝から奪った領土ですから、中国政府がある日突然、「歴史的に中国領だ」と言い出しかねない。その兆候はすでにあります。
モスクワで「対中警戒感」が広がる理由
9月下旬、日露学術報道専門家会議代表団に参加して1週間モスクワに滞在した際、会見したロシア外務省高官は「尖閣をめぐる展開から目を離せない。日中という隣国が対立を解消し、東アジア情勢の不安定化を招かないよう望む」と述べ、ロシアは中立姿勢を維持することを強調した。ロシアのテレビは中国側映像を多用することから、やや中国寄りの印象を受けたが、ロシア政府はどちらの側にも立たない路線だ。8月にモスクワで開かれた中露安全保障会議で、戴秉国・国務委員(外交担当)が北方領土と尖閣での共同歩調を持ち掛けたが、ロシアは回答しなかったという。…
中国専門家のバジャーノフ外交アカデミー所長は、…「中国の新しい教科書に、『帝政ロシアが極東の中国領土150万平方キロを奪った』とする記述があり、ロシアにとって好ましくない。中国の専門家になぜこんな記述を載せたのかとただした」と語っていた。1970年ごろ、唐突に尖閣の領有権を主張し始めた中国の対応は、ロシアにとって他人事ではないようだ。
同所長は、「国民レベルでは、東アジアでは日本の人気が圧倒的に高い」としながら、外務省では中国語スクールが出世頭で、デニソフ第一外務次官、アファナシエフ駐日大使、ブヌコフ駐韓大使、ラザロフ駐中国大使ら東アジア主要国大使が中国派で固められていることを指摘。外交官の登竜門である国際関係大学の学生の間でも、中国語人気は英語より高いと話した。
中国で2年間少林寺拳法を習ったとする新しいタイプの中国専門家、マスロフ高等経済大学教授は、日中の領土紛争でロシアは「センカク」という表現を使用し、暗に日本支持のシグナルを送っていると指摘し「歴史的に見て、中国の立場は支持しにくい」と述べた。
マスロフ教授によれば、ロシア識者の中国観は分裂しており、
①中国はロシア唯一の友人であり、中露は互いに補いながら、共同で発展できるとする対中ロマンチシズム
②中国とロシアの経済力格差はますます拡大し、ロシアは中国経済に飲み込まれる。ロシアは中国より欧米に接近すべきだとする対中嫌悪派
③中国の台頭を合理的に抑制しながら、利用すべきとするリアリスト派
――の3つのグループがある。…
プーチン政権はリアリスト派だが、それでも政権内には中国警戒論が高まっている模様だ。政権に影響力を持つニコノフ下院外交委副委員長は、「プーチン大統領は中国にロシアの戦略的資産を掌握させないよう指示している」ことを明らかにし、「極東開発などで、ロシアは中国より日本企業の進出を希望する。その理由はよく知られているはずだ」と話していた。確かにロシアは、シベリアの石油・ガス田開発で中国企業には権益を与えず、日本企業に与える意向を示している。
マスロフ教授は「ロシアにいる中国人の数は、非合法滞在が多く、①800万人説②200-300万人説③100万人説――がある。正確な数字は不明だが、極東だけで中国人や北朝鮮労働者が50万人いる。極東の産業の35%は中国資本の管理下に置かれた。中国の進出は、一部の基幹産業においては制限すべきだ」と述べていた。ロシア各都市にチャイナタウンが誕生し、中国人流入の実態すら分からない中で、ロシアの対中警戒感は確実に強まっている印象を受けた。
中露間では今、歴史的なパワーシフトが進んでおり、昨年の中国の国内総生産(GDP)はロシアの4倍に上った。過去数世紀、中露・中ソ関係ではロシアが常に兄貴分だったが、今では「中国の妹」(タブロフスキー・ルムンバ大学教授)となってしまった。この構図は今後さらに広がり、ロシアが再び兄貴分になることはあり得ない。その焦燥感も対中警戒感の背景にあるような気がした。(名越健郎)(foresight 2012/10/19 09:44)
ロシアの代表的専門家が50年後の「北方4島返還論」
ロシアを代表する国際関係の専門家である、カーネギー財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長が、北方領土問題に関する論文を発表し、50年後に北方4島を日本に返還し、日本の協力で極東シベリア開発を進め、アジア太平洋の安全保障を強化する――との未来志向を前面に出す提案を行なった。領土で譲歩することで、日本の極東経済進出を図り、日本を「アジアのドイツ」にするとの認識を示している。民族愛国主義が主流のロシアで、4島返還論が登場するのは異例。改善基調にある日露関係に波紋を投じそうだ。…
論文は北方領土問題の過去の経緯や展開に触れた後、「日露両国は第2次大戦や冷戦のプリズムを通して紛争を解決しようとしており、そこには未来がどうなるかというヴィジョンがない」と指摘。両国の利益団体らが狭隘な視点で主張を貫いてきたことも解決を遅らせたと批判した。
さらに、「過去の経緯から引き出される5つの教訓」として、
(1)領土問題は時間とともに解決されない
(2)過去を振り返る解決策は不毛で、全く新しい物語が必要
(3)領土問題は経済、政治、戦略問題と分離できない
(4)考えられる唯一の解決策は、日本の4島返還要求とロシアの歯舞、色丹引き渡し案という2つの立場の相互譲歩にある
(5)両国指導者は互いの妥協に必要な支持を国民から得る必要がある
――を挙げ、「北方領土問題を解決する唯一の道は、日露が互いを価値のあるパートナーとみなす抜本的に新しいアプローチを採用することだ」とした。
トレーニン氏は特に、1970年代初期のデタント期にブラント元西独首相が進めた「オストポリティーク」(東方外交)が参考になると強調。ドイツが旧ソ連・東欧諸国と交渉し、一連の条約を結び、戦後処理を完了したことが、ドイツ統一に道を開き、欧州でのロシアの立場を強固にしたと指摘。「領土問題が存在する限り、ロシアは日本との関係を現在の独露パートナー関係に似た関係に再編することはできない」とし、「アジア太平洋でオストポリティークの発想」を導入するよう訴えた。
また、領土問題解決により、「ロシアは未開発の極東建設に協力できる価値あるパートナーを持つことができ、日本は新しい同盟国を持つことでアジアの安全保障を強化できる」と将来の日露準同盟関係にも言及。両国は中国に対する外交的立場を強化でき、アジア太平洋の安全保障環境に貢献するとし、米国にとっても好ましい展開になるとしている。
論文は領土問題の具体的な解決策として以下のステップを提案している。
1、ロシアは直ちに、1956年日ソ共同宣言で引き渡しを約束した歯舞、色丹(4島面積の7%)を日本に提供する。
2、日本は南クリールとロシア全土で、公的部門の投資や民間部門へのインセンティブ供与を通じて、経済活動支援を開始する。
3、日露両国は4島に経済特区を設置し、両国政府が管理する。
4、4島は非軍事化され、ロシアは当面、国後、択捉への主権を維持する。日本人は自由に4島を訪れることができるようにする。
5、50年の期間を経て、国後、択捉は日本の法と主権の下に移管する。共同経済体制はその後の50年間維持し、居住ロシア人は自由に住み続け、二重国籍も可能にする。
50年後の国後、択捉の返還というこの提案は、「択捉島の北に国境線を引き、当分の間4島の現状を維持し、ロシアの施政を合法と認める」という、1998年に橋本龍太郎首相がエリツィン大統領に提示した川奈提案に近い。2島の即時引き渡しにも触れている点は、川奈提案以上に日本に好ましい。日本にとっては、すぐにも受け入れ可能な提案だろう。
ただし、プーチン大統領は川奈提案について、「よく考えられた勇気ある提案だが、ロシアは受け入れられない」として拒否。その後は「4島領有は大戦の結果」とし、歯舞、色丹引き渡しをうたった56年宣言を履行する用意はあるとの「2島決着」の立場を貫いている。
1990年代の経済混乱期、ロシアの一部改革派学者らが北方4島の返還論を唱えたが、プーチン体制の民族愛国主義全盛の下で、4島返還論は消え失せた。90年代は日本の経済力が圧倒的に優位だったが、日本のデフレ不況、資源価格高騰によるロシアの高成長で、両者の力関係は相対的に接近した。その意味で、ロシア国際政治学会の大御所がこの時期に「4島返還論」を唱えたことは画期的だ。
トレーニン氏は国際的な評価を受けた近著『ロシア新戦略』(作品社)で中国の台頭に伴うロシアの安全保障の脆弱化、過疎の極東開発の必要を強調しており、中国の脅威への配慮が提案の背景にあるのは間違いない。プーチン政権がこの夏、対日関係改善に舵を切ったこととも関連している可能性がある。
ただし、ロシアでは、「4島領有は大戦の結果であり、国境は画定済み」と主張する保守的な主張が支配的であり、トレーニン氏が各方面から非難を浴びるのは必至だろう。論文をめぐるロシア側の議論の行方とプーチン政権の対応が、今後の領土問題の行方に重要な手がかりとなりそうだ。(名越健郎)(2012.12.18 13:00:18 Foresight)
この論文は、国内世論と日本の反応を確かめるプーチン政権の観測気球でしょう。
日本の民主党政権はこれに対して何の反応も示しませんでした。中国に取り込まれていた民主党政権には、「対中国包囲網としてロシアを利用する」という発想がなかったか、あるいは意図的に妨害していたからです。
しかし、安倍自民党政権の発足によって、状況は劇的に変化しました。安倍・麻生が掲げてきた「価値観外交」「自由と繁栄の弧」――ユーラシア大陸周縁部に連なる自由主義諸国との 連携で、中国を包囲する――という戦略が、プーチンの対中戦略にぴたりと符合するからです。この構想を練ったのは、外務省の谷内正太郎(やちしょうたろう)元外務次官。反日工作員がうじゃうじゃいる外務省の中で、齋木昭隆(さいきあきたか)元アジア太平洋局長とともに、国益を守るために奮闘している国士です。
北方領土問題という「のどに刺さったとげ」さえ抜ければ、日露同盟も可能です。
2013年、日本外交はじまった!
と思う方は、
←クリックお願いします。
日本から「重要なシグナル」=北方領土問題でロシア大統領
【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は20日、モスクワで内外メディアを集めた大規模な記者会見を行い、北方領土問題について「(衆院選で勝利した自民党から)平和条約締結への重要なシグナルが送られている。われわれはこれを高く評価し、建設的な対話を行う用意がある」と問題解決に意欲を示した。
ロシア国営テレビなどは衆院選直後、ロシアとの領土問題解決と平和条約締結を期待すると表明した自民党の安倍晋三総裁の発言を繰り返し伝えており、これを指したものとみられる。プーチン大統領が日本での政権交代と今後の日ロ交渉に臨む姿勢に言及したのは初めて。(2012/12/20-22:46 時事)
日露首脳 平和条約へ作業活発化で一致
安倍晋三首相は28日、ロシアのプーチン大統領と約20分電話会談し、北方領土問題の解決に向け平和条約締結への作業を活発化させることで一致した。首相はオーストラリアやインド、インドネシア、ベトナムなどの各国首脳とも電話会談し、軍事面で台頭する中国をにらみ「対中包囲網」の構築にも踏み出した。
安倍首相はプーチン大統領に「北方領土問題の最終的な解決に向け、双方が受け入れ可能な解決策を見いだすべく努力をしたい」と呼びかけた。大統領も「平和条約に関する作業をより活発化するよう両国の外務省に指示を出す必要がある」と応じた。
大統領は首相の就任に対する祝意を伝えるとともに訪露を要請。平成25年(2013)中で調整することになった。
オーストラリアのギラード首相には「安全保障協力が着実に深化していることは喜ばしい」と強調。ギラード首相も「安保協力をさらに強化していきたい」と述べた。
インドのシン首相には「日印は最も可能性のある2国間関係だ」と指摘した。南シナ海の領有権をめぐり中国と対立するベトナムのグエン・タン・ズン首相や、インドネシアのユドヨノ大統領とも会談した。
アジア太平洋地域以外では英国のキャメロン首相とも電話会談。「基本的価値と国際社会での利益と責任を共有しており、十分協調していきたい」と述べた。「安保について地球規模で俯瞰(ふかん)し戦略的に対応する」(首相周辺)との観点から英国とも会談したという。
(2012.12.28 23:45 産経)
麻生副総理、ミャンマー訪問へ…経済協力強化
麻生副総理・財務相は2~4日、ミャンマーを訪問する。
テイン・セイン大統領らと3日に会談し、円建て融資(円借款)などを通じた経済協力を強化する意向を表明する考えだ。老朽化した火力発電所の改修や工業団地開発などの整備などを後押しする。
民主化が進み、成長が著しいミャンマーには、日本はじめ各国企業が相次いで進出している。政府は、日本企業がさらに進出しやすいように道路や情報通信網といった社会インフラ整備も支援する方針だ。
政府は昨年11月、500億円規模のミャンマー向け円借款を今年2月にも再開することを決めた。円借款の再開は26年ぶり。
アジア各国もミャンマーへの投資を増やそうとしており、政府は、首相経験者の麻生氏の訪問で、日本の存在感をアピールしたい考え。麻生氏は4日、最大都市ヤンゴン近郊の工業団地も視察する。
(2012年12月31日20時13分 読売新聞)
中国、首相への祝電の有無公表せず 尖閣が影響か
【北京=島田学】中国政府は27日時点で、温家宝首相が安倍晋三首相宛ての祝電を送ったかどうかを公表していない。指導者交代時の祝電のやり取りは外交上の慣例。これまでは中国の国営新華社が日本の首相が就任した当日中に祝電を送ったことを伝えている。中国側は沖縄県・尖閣諸島を巡る対立を受けて対応を変えたとみられる。
中国側の今後の対応は不明だ。新華社も27日時点で祝電の有無を伝えていない。一方の安倍氏は、11月の中国の習近平総書記就任時に「自民党総裁」の肩書で中国側に祝電を送っており、新華社なども報じている。
中国外務省の華春瑩副報道局長は27日の記者会見で、祝電のやり取りの有無について「提供できる情報はない」と述べるにとどめた。一部には、温氏は祝電を送ったが、中国国内世論の反発を恐れ、祝電を送った事実を公表しないと決めたとの見方も出ている。
(2012/12/27 21:59 日経)
第1期プーチン政権は、ブッシュJr政権が9.11を機にアフガン戦争、イラク戦争を引き起こし、米国一極支配を強めた時期と重なります。
NATO軍のアフガン駐留を警戒したプーチンは、米国牽制のため中国の江沢民政権に急接近し、露・中・中央アジア5カ国による上海協力機構を設立しました。経済協力のほか、共同軍事演習も行う「ユーラシア同盟」です。ソ連崩壊の後遺症に苦しんでいたロシアにとって、高度経済成長が続く中国は石油・天然ガスと兵器の市場としても魅力的でした。
それから10年。
強大化しすぎた中国は、ロシアの安全をも脅かすようになりました。
世界の人口地図 中国(黄緑色)の北、ひものように見えるのがロシア。
ソ連極東管区の人口は、ソ連崩壊時から2割減の600万人。一方、中国東北3省(旧満州)の人口は1億人です。
旧満州からシベリアへ、合法・違法を問わず中国人移民が大量に流入しつつあり、このままいけばロシア人は少数派になります。プーチン政権は、大規模な不法移民取締りを始めました。とくにウラジヴォストークを含む沿海州は、アロー戦争に乗じてロシアが清朝から奪った領土ですから、中国政府がある日突然、「歴史的に中国領だ」と言い出しかねない。その兆候はすでにあります。
モスクワで「対中警戒感」が広がる理由
9月下旬、日露学術報道専門家会議代表団に参加して1週間モスクワに滞在した際、会見したロシア外務省高官は「尖閣をめぐる展開から目を離せない。日中という隣国が対立を解消し、東アジア情勢の不安定化を招かないよう望む」と述べ、ロシアは中立姿勢を維持することを強調した。ロシアのテレビは中国側映像を多用することから、やや中国寄りの印象を受けたが、ロシア政府はどちらの側にも立たない路線だ。8月にモスクワで開かれた中露安全保障会議で、戴秉国・国務委員(外交担当)が北方領土と尖閣での共同歩調を持ち掛けたが、ロシアは回答しなかったという。…
中国専門家のバジャーノフ外交アカデミー所長は、…「中国の新しい教科書に、『帝政ロシアが極東の中国領土150万平方キロを奪った』とする記述があり、ロシアにとって好ましくない。中国の専門家になぜこんな記述を載せたのかとただした」と語っていた。1970年ごろ、唐突に尖閣の領有権を主張し始めた中国の対応は、ロシアにとって他人事ではないようだ。
同所長は、「国民レベルでは、東アジアでは日本の人気が圧倒的に高い」としながら、外務省では中国語スクールが出世頭で、デニソフ第一外務次官、アファナシエフ駐日大使、ブヌコフ駐韓大使、ラザロフ駐中国大使ら東アジア主要国大使が中国派で固められていることを指摘。外交官の登竜門である国際関係大学の学生の間でも、中国語人気は英語より高いと話した。
中国で2年間少林寺拳法を習ったとする新しいタイプの中国専門家、マスロフ高等経済大学教授は、日中の領土紛争でロシアは「センカク」という表現を使用し、暗に日本支持のシグナルを送っていると指摘し「歴史的に見て、中国の立場は支持しにくい」と述べた。
マスロフ教授によれば、ロシア識者の中国観は分裂しており、
①中国はロシア唯一の友人であり、中露は互いに補いながら、共同で発展できるとする対中ロマンチシズム
②中国とロシアの経済力格差はますます拡大し、ロシアは中国経済に飲み込まれる。ロシアは中国より欧米に接近すべきだとする対中嫌悪派
③中国の台頭を合理的に抑制しながら、利用すべきとするリアリスト派
――の3つのグループがある。…
プーチン政権はリアリスト派だが、それでも政権内には中国警戒論が高まっている模様だ。政権に影響力を持つニコノフ下院外交委副委員長は、「プーチン大統領は中国にロシアの戦略的資産を掌握させないよう指示している」ことを明らかにし、「極東開発などで、ロシアは中国より日本企業の進出を希望する。その理由はよく知られているはずだ」と話していた。確かにロシアは、シベリアの石油・ガス田開発で中国企業には権益を与えず、日本企業に与える意向を示している。
マスロフ教授は「ロシアにいる中国人の数は、非合法滞在が多く、①800万人説②200-300万人説③100万人説――がある。正確な数字は不明だが、極東だけで中国人や北朝鮮労働者が50万人いる。極東の産業の35%は中国資本の管理下に置かれた。中国の進出は、一部の基幹産業においては制限すべきだ」と述べていた。ロシア各都市にチャイナタウンが誕生し、中国人流入の実態すら分からない中で、ロシアの対中警戒感は確実に強まっている印象を受けた。
中露間では今、歴史的なパワーシフトが進んでおり、昨年の中国の国内総生産(GDP)はロシアの4倍に上った。過去数世紀、中露・中ソ関係ではロシアが常に兄貴分だったが、今では「中国の妹」(タブロフスキー・ルムンバ大学教授)となってしまった。この構図は今後さらに広がり、ロシアが再び兄貴分になることはあり得ない。その焦燥感も対中警戒感の背景にあるような気がした。(名越健郎)(foresight 2012/10/19 09:44)
ロシアの代表的専門家が50年後の「北方4島返還論」
ロシアを代表する国際関係の専門家である、カーネギー財団モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長が、北方領土問題に関する論文を発表し、50年後に北方4島を日本に返還し、日本の協力で極東シベリア開発を進め、アジア太平洋の安全保障を強化する――との未来志向を前面に出す提案を行なった。領土で譲歩することで、日本の極東経済進出を図り、日本を「アジアのドイツ」にするとの認識を示している。民族愛国主義が主流のロシアで、4島返還論が登場するのは異例。改善基調にある日露関係に波紋を投じそうだ。…
論文は北方領土問題の過去の経緯や展開に触れた後、「日露両国は第2次大戦や冷戦のプリズムを通して紛争を解決しようとしており、そこには未来がどうなるかというヴィジョンがない」と指摘。両国の利益団体らが狭隘な視点で主張を貫いてきたことも解決を遅らせたと批判した。
さらに、「過去の経緯から引き出される5つの教訓」として、
(1)領土問題は時間とともに解決されない
(2)過去を振り返る解決策は不毛で、全く新しい物語が必要
(3)領土問題は経済、政治、戦略問題と分離できない
(4)考えられる唯一の解決策は、日本の4島返還要求とロシアの歯舞、色丹引き渡し案という2つの立場の相互譲歩にある
(5)両国指導者は互いの妥協に必要な支持を国民から得る必要がある
――を挙げ、「北方領土問題を解決する唯一の道は、日露が互いを価値のあるパートナーとみなす抜本的に新しいアプローチを採用することだ」とした。
トレーニン氏は特に、1970年代初期のデタント期にブラント元西独首相が進めた「オストポリティーク」(東方外交)が参考になると強調。ドイツが旧ソ連・東欧諸国と交渉し、一連の条約を結び、戦後処理を完了したことが、ドイツ統一に道を開き、欧州でのロシアの立場を強固にしたと指摘。「領土問題が存在する限り、ロシアは日本との関係を現在の独露パートナー関係に似た関係に再編することはできない」とし、「アジア太平洋でオストポリティークの発想」を導入するよう訴えた。
また、領土問題解決により、「ロシアは未開発の極東建設に協力できる価値あるパートナーを持つことができ、日本は新しい同盟国を持つことでアジアの安全保障を強化できる」と将来の日露準同盟関係にも言及。両国は中国に対する外交的立場を強化でき、アジア太平洋の安全保障環境に貢献するとし、米国にとっても好ましい展開になるとしている。
論文は領土問題の具体的な解決策として以下のステップを提案している。
1、ロシアは直ちに、1956年日ソ共同宣言で引き渡しを約束した歯舞、色丹(4島面積の7%)を日本に提供する。
2、日本は南クリールとロシア全土で、公的部門の投資や民間部門へのインセンティブ供与を通じて、経済活動支援を開始する。
3、日露両国は4島に経済特区を設置し、両国政府が管理する。
4、4島は非軍事化され、ロシアは当面、国後、択捉への主権を維持する。日本人は自由に4島を訪れることができるようにする。
5、50年の期間を経て、国後、択捉は日本の法と主権の下に移管する。共同経済体制はその後の50年間維持し、居住ロシア人は自由に住み続け、二重国籍も可能にする。
50年後の国後、択捉の返還というこの提案は、「択捉島の北に国境線を引き、当分の間4島の現状を維持し、ロシアの施政を合法と認める」という、1998年に橋本龍太郎首相がエリツィン大統領に提示した川奈提案に近い。2島の即時引き渡しにも触れている点は、川奈提案以上に日本に好ましい。日本にとっては、すぐにも受け入れ可能な提案だろう。
ただし、プーチン大統領は川奈提案について、「よく考えられた勇気ある提案だが、ロシアは受け入れられない」として拒否。その後は「4島領有は大戦の結果」とし、歯舞、色丹引き渡しをうたった56年宣言を履行する用意はあるとの「2島決着」の立場を貫いている。
1990年代の経済混乱期、ロシアの一部改革派学者らが北方4島の返還論を唱えたが、プーチン体制の民族愛国主義全盛の下で、4島返還論は消え失せた。90年代は日本の経済力が圧倒的に優位だったが、日本のデフレ不況、資源価格高騰によるロシアの高成長で、両者の力関係は相対的に接近した。その意味で、ロシア国際政治学会の大御所がこの時期に「4島返還論」を唱えたことは画期的だ。
トレーニン氏は国際的な評価を受けた近著『ロシア新戦略』(作品社)で中国の台頭に伴うロシアの安全保障の脆弱化、過疎の極東開発の必要を強調しており、中国の脅威への配慮が提案の背景にあるのは間違いない。プーチン政権がこの夏、対日関係改善に舵を切ったこととも関連している可能性がある。
ただし、ロシアでは、「4島領有は大戦の結果であり、国境は画定済み」と主張する保守的な主張が支配的であり、トレーニン氏が各方面から非難を浴びるのは必至だろう。論文をめぐるロシア側の議論の行方とプーチン政権の対応が、今後の領土問題の行方に重要な手がかりとなりそうだ。(名越健郎)(2012.12.18 13:00:18 Foresight)
この論文は、国内世論と日本の反応を確かめるプーチン政権の観測気球でしょう。
日本の民主党政権はこれに対して何の反応も示しませんでした。中国に取り込まれていた民主党政権には、「対中国包囲網としてロシアを利用する」という発想がなかったか、あるいは意図的に妨害していたからです。
しかし、安倍自民党政権の発足によって、状況は劇的に変化しました。安倍・麻生が掲げてきた「価値観外交」「自由と繁栄の弧」――ユーラシア大陸周縁部に連なる自由主義諸国との 連携で、中国を包囲する――という戦略が、プーチンの対中戦略にぴたりと符合するからです。この構想を練ったのは、外務省の谷内正太郎(やちしょうたろう)元外務次官。反日工作員がうじゃうじゃいる外務省の中で、齋木昭隆(さいきあきたか)元アジア太平洋局長とともに、国益を守るために奮闘している国士です。
北方領土問題という「のどに刺さったとげ」さえ抜ければ、日露同盟も可能です。
2013年、日本外交はじまった!
と思う方は、






この記事へのコメント
論述でお世話になっているものです。
私も毎晩録音を聞きながら(笑)寝ています。
聞くのに必死で熟睡してしまって
まだ初夢を見ていません...(笑)
あと少しがんばります!(o'ω'o)
7日の朝までに復旧します。しばらくお待ちください。
勢力圏と租借地様
どういうリアクションをすればいいのか、私も悩みます。
しっかり聴いて覚えます!