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zoom RSS 読者が選ぶ2016年10大ニュース 猛将マティスが米国防長官に

<<   作成日時 : 2017/01/17 01:50   >>

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正月忙しくて、まだこれをやってませんでした…

1位 テンプル騎士団とタックス・ヘイブン  5652
2位 トランプ大統領で日本はどうなる? 5609
3位 イギリス国民投票でEU離脱へ  5265

4位 2016米大統領選開票  4995
5位 トランプ外交始動   4594
6位 イランの復活、サウジ崩壊への道  4444
7位 トランプ大統領ならアメリカはどうなる   4158
8位 国産ステルス実証機X-2(心神)、初飛行  4127
9位 中国軍艦が尖閣接続水域に侵入   3843
10位 台湾政権交代 AIIBの見切り発車  3820

もう圧倒的にドナルド・トランプ関連ニュースでした。

当然ですね。

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トランプ新政権のジェームズ・マティス国防長官が、上下両院の公聴会を経て承認されました。
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国防長官は国防総省のトップ。世界最強の軍隊を率いるのがお仕事です。
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国防総省が置かれたのは第二次大戦後。大戦までは陸軍省、海軍省が並立していましたが、陸軍航空隊を独立させて空軍を設置したので、3軍の統合を図るのが目的です。

日本では帝国陸軍と帝国海軍とのすさまじい対立が作戦計画に影響を与え、敗戦の一つの原因になりました。

米国でも陸海空3軍の対立が激しく、トルーマン大統領が任命した初代国防長官フォレスタル(前海軍長官)は空軍との対立からうつ病を発症し、入院中に自殺しています。

元陸軍参謀総長から国務長官を経て第3代国防長官となったジョージ・マーシャルを除き、歴代国防長官はいずれも文官(非軍人)です。

ジョンソン政権でベトナム戦争を立案したマクナマラ国防長官は、軍歴はあ るものの、前職は自動車大手フォード社の社長でした。

マクナマラ国防長官(左)とジョンソン大統領
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冷戦末期、レーガン政権下で大軍拡を推進したワインバーガー国防長官は、 ゼネコン大手ベクテルの副社長。

ブッシュ・シニア政権で湾岸戦争を指揮したチェイニー国防長官は、石油大手ハリバー トンのCEO。

チェイニーは、米国型自由主義を武力で中東に輸出しようとしたネオコン(新保守主義)系の政治家で、ブッシュ・ジュニア政権では副大統領を務め、ラムズフェルト国防長官とともにイラク戦争の急先鋒となります。

左からラムズフェルド国防長官、ブッシュ・ジュニア大統領、チェイニー副大統領
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アメリカがやった最も愚劣な戦争ーーーベトナム戦争とイラク戦争を指揮したのが、いずれも文官出身の国防長官だったことは記憶しておくべきでしょう。戦地を知らない人間が、机上で立案した作戦によって、大勢の兵士が死んだのです。

トランプ新政権の国防長官に就任するマティス大将は、海兵隊の叩き上げです。

海兵隊(マリーンズ)は、陸海空3軍から独立した緊急展開部隊。本土防衛の任務はなく、米国の海外拠点や在外公館を防衛するために緊急出動する部隊で、「殴り込み部隊」とも呼ばれます。

20世紀初頭、カリブ海諸国に対する軍事作戦の先頭に立ち、第二次大戦では日本軍が展開する島々に上陸して制圧していったのは、この海兵隊です。

海兵隊による硫黄島(いおうとう)占領記念碑(ワシントンDC)
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「戦利品」としての沖縄は、米海兵隊にとって最大の海外拠点となっています。仮想敵国はもちろん中国です。
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陸軍士官学校卒のエリートが出世する陸軍と違い、学歴にとらわれず実力でのし上がれるのも海兵隊の特徴。マティス新国防長官は、士官学校ではなく、有名校でもないワシントン・セントラル大学という州立大学の卒業生です。

初戦は湾岸戦争で大佐に昇進、9.11後のアフガン侵攻に従軍して少将、イラク戦争に従軍して中将、大将に昇進します。

「アフガンでは、ベールをかぶっていないという理由で5年間、女性を殴り続けたような、男の風上にも置けない連中がいる。そいつらを標的にするのは死ぬほど愉快だった。戦いとは、とにかく楽しいものだ」

しかしただの武闘派ではなく、蔵書6千冊という読書家。以下の語録から、冷徹なリアリストという世界観を垣間見ることができます。

「偽りの友より、あからさまな敵の方がまし」
Better be an open enemy than a false friend.
「海兵隊は、『敗北』という言葉のつづりを知らない」
「礼儀正しく、プロらしくあれ、しかし会う人間すべてを殺すための計画を持て」

アフガン駐留中のマティス少将
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オバマ政権のヘーゲル国防長官の推薦で、マティス大将は中東を担当する中央軍司令官に昇進しました。中央軍司令官は、陸軍と海兵隊から交互に出しています。

しかし、イランに急接近するオバマ大統領と対立し、解任されました。

オバマ大統領はヘーゲル国防長官とも対立し、辞任に追い込みました。
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オバマ政権下での国防長官の辞任は、ゲーツ、パネッタ、ヘーゲルと続いて3人目。いすれも、オバマ政権が国防総省担当の細かなことにまで介入してくること、しかも一貫した中東政策がないことに、不満を募らせての辞任でした。

「細く口は出すけど、責任は部下に負わせる」

最悪の上司です。

オバマに切られて、これで終わったかと思われたマティス前中央軍司令官大将を拾ったのがドナルド・トランプでした。

昨年(2016)11月、マティスと面談したトランプはツイッターに投稿します。

「国防長官にと考えている"Mad Dog"マティス将軍にきのう会った。印象的だった。まさに将軍の中の将軍だ」
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Mad Dogは直訳すると「狂犬」ですが、「猛将」程度の意味です。独身を貫いているため、Warrior Monk「戦う修道士」というあだ名もあります。


次期国防長官の異名を狂犬にした日本メディアの誤訳
(2016年12月20日 ニューズウィーク日本版)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6579.php

軍人は退役後7年間は国防長官になれないという規定にマティスは抵触しますが、今回、議会の承認を得たので、1月20日のトランプ大統領就任式に、晴れて国防長官に就任します。
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マティス次期国防長官人事、文民統制の特例を承認 米下院
(2017.1.14 10:42 産経)
http://www.sankei.com/world/news/170114/wor1701140017-n1.html

中東とアフガンでの軍歴が長かったマティス次期国防長官はアジア政策について明確には語っていませんが、沖縄海兵隊の立場からアジアを見ているでしょう。必然的に、膨張する中国に対しては厳しい態度を取るでしょう。

トランプ政権の中国政策を占う上でもう一人、鍵となる人物がいます。

ピーター・ナヴァロ教授。カリフォルニア大の経済学者。
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トランプが新設する国家通商会議(National Trade Council)の議長として、アメリカの製造業を安価な外国商品から守るため、貿易問題を担当するようです。

トランプ、新政権で国家通商会議を新設 責任者に対中強硬派ナバロ氏
(2016年12月22日 10時21分 ニューズウィーク日本版)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6595.php


このナヴァロ教授が書き、トランプに影響を与えているのがこの本。

Crouching Tiger うずくまる虎
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昨年、日本語訳(邦題『米中もし戦わば』)が出たばかりで、私もさっそく買いました。
米中もし戦わば
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「世界は無政府状態であり、大国は永久に覇権争いを続ける」
というリアリズム国際政治学者ミアシャイマーの学説をベースに、

1. 中国が軍備増強を続ける目的
2. 中国の軍事力(海・空・宇宙・サイバー空間)
3. 米中衝突の引き金(台湾・北朝鮮・尖閣・ベトナム…)
4. 米中戦争で起こりうること
5. 交渉による米中衝突回避は可能か?
6. 力による平和

と議論を展開していきます。

最悪の状況を象徴しているのが、アメリカのいわゆる「アジア重視」戦略である。2011年、アジア地域の経済的および安全保障上の重要性に遅ればせながら気づいたバラク・オバマ大統領は、当時の国務長官ヒラリー・クリントンの熱心な勧めに従い、
「今後アメリカはアジア太平洋地域を国家安全保障政策の主要な焦点とする」
と華々しく宣言した。その一環としてペンタゴンは、太平洋に回す海軍艦隊の割合をおよそ60%にまで引き上げると発表した。

しかしそうした発表は口先だけの嘘の約束だったことが判明した。アメリカは、約束の実行に見事に失敗したのである。失敗の原因は、簡単な計算をすればすぐにわかる。

まず、アメリカ海軍の艦船保有数は、ピーク時であったレーガン政権時代(1980年代)の500席以上から現在の300隻以下にまで、一貫して縮小を続けてきた。…

アメリカ海軍大学校のトシ・ヨシハラ教授は言う。
2020年までにアメリカがアジア地域に回す戦力は、2011年にアジア重視政策が始まったときとまったく変わらないだろう。相対的な「配分」はたしかに太平洋へシフトするけれども、絶対数が減少しているのだから。…

「戦域で使用できる艦船が少なくなれば、一隻一隻はより貴重になり、艦船を危険にさらすことには一層躊躇(ちゅうちょ)せざるを得なくなる。これではまさに中国の思惑通りだ。…こたとえば台中間で戦争が勃発したというような事態に対して、アメリカが躊躇したあげくに何もしないことを選ぶ可能性はさらに高まる」

(同書 P.352-353)

いまだ絶滅しない日本のお花畑さん全員に、読ませるべき本です。

経済的にも安全保障上も中国を敵と見ているナヴァロ教授がトランプ次期大統領の政策アドバイザーになったということは、日本の命運にとっても重大な意味を持ちます。

少なくとも、オバマ政権よりはるかにまし。

ティラーソン次期国務長官も、議会の公聴会で「中国軍が尖閣に侵攻した場合、どうするか」と質問され、「米軍は日米安保に従い、日本防衛義務を果たす」と明言しました。
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一方、オバマ大統領は地元のシカゴで大統領として最後の演説を行い、涙を流しました。
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バラク、君の演説はいつも最高だった。
ヒロシマに来てくれたことは、心から感謝するよ。




でも、君の理想主義と優柔不断が、世界をメチャメチャにしたことは、まだわかっていないようだね。




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