もぎせかブログ館

アクセスカウンタ

zoom RSS 思想史本、ついに発売!

<<   作成日時 : 2015/09/17 03:52   >>

ナイス ブログ気持玉 72 / トラックバック 0 / コメント 12

『永遠のゼロ』のミリオンセラー作家、百田尚樹(ひゃくた・なおき)さん。

毎回、ジャンルの違う小説を書いてヒットを飛ばしています。百田さんの足元にも及びませんが、私も毎回ジャンルの違う本を出してみようと密かに考えています。

『経済は世界史から学べ』
  ↓
『世界のしくみが見える世界史講義』
  ↓
『世界史で学べ!地政学』

の次は、思想史です。9月18日から都内の書店に並びます。

『世界史を動かした思想家たちの格闘』
画像


Amazonこちら

e-honこちら
(e-honは、お近くの書店に本が届くサービスです)

狭い意味での哲学史だけでなく、政治思想史も絡めた入門書です。予備校では夏期講習に「世界史文化史」という講座があります。ヨーロッパ中心ですが、12時間で思想から、文学から、建築美術から、全部やるという過酷な講座です。ところがこれが、教えていて実に楽しいのです。

私が普段教えている国公立受験コースの学生は、受験科目が多くて余裕がなく、「文化史」を受講してくれる人は多くありません。そういう人たちに、せめて思想史の基本だけでも理解してもらいたい。

哲学というのは、思考の背骨のようなものです。将来、あなたが官僚や政治家、経済人やジャーナリストになるにしても、哲学を持たないと、ふらふら、ふらふらと、あっちに流され、こっちに流され、鳩山由紀夫さんのような大人になってしまいます。あの人は数学者としては一定のレベルまで達しているようですが、哲学がないのです。


文明が起こってから5千年。人類の科学技術は加速度的に進歩し、宇宙開発や遺伝子操作が日常的に行われるようになりました。10年前の研究さえ、すでに時代遅れになっています。

ところが、人間の生き方、社会や国家の作り方に関する研究は、少なくとも2500年前の古代ギリシアからほとんど、いやまったく進歩していません。

安保法制の参議院採決を前にして、今夜も国会周辺をデモ隊が囲み、野党は牛歩戦術だ、バリケードだ、と大騒ぎをしています。民主主義の暴走は古代ギリシアですでに深刻化しており、これを疑うところから、ソクラテスやプラトンの哲学が始まったのです。「国会議員は人民を代表できない」、と代議制を否定したのがルソーで、ルソーの信奉者ロベスピエールが独裁化し、恐怖政治に走ったのは必然だったのです。第1講「法と正義」ではこういう話を書きました。

戦争を防ぐ方法についても、「正義は勝つ。悪は滅ぶ」という理想主義と、「戦争に善悪なんかない。力があれば勝つ。弱ければ滅ぶ」というリアリズムとのせめぎ合いがずっと続いてきたのです。十字軍が前者で、孫子やマキァヴェリ、クラウゼヴィッツが後者です。第2講「戦争と平和」ではこういう話を書きました。

ここまでは政治学、国際関係論の話で、このブログの読者の皆さんにもすんなり頭に入るテーマだと思います。

後半は、そもそも人間は外界を正しく判断できるのか、という根源的な話に入っていきます。

人間は五感を通じて外の世界を感じ、情報を組み立てていきます。これは動物たちもやっていることです。

ところが人間だけは、「理性」とか、「道徳」とか、不思議な能力を備えています。これを使うことによって、月までの距離を測ったり、経験していないことに対する善悪の判定を下すことができるのです。理性とは何かを追求したデカルト、道徳とは何かを追求したプラトン。プラトン思想と共鳴する古代インド哲学。第3講「理性と感情」ではこういう話を書きました。

「私」とは自分の身体なのか、自分の心なのか、体でも心でもなく、さらにその内側にいるのか。デカルトは「私」=理性=絶対的な基準と定め、理性が世界を見通すことができると考えました。カントはこれを疑い、理性が「見ている」のは頭の中に作り出したイメージであると考え、世界が実体として存在するかどうかも疑いました。

世界を「表象」=イマジネーションに過ぎないと考えたショーペンハウアーは、古代インド哲学の信奉者でした。このあたりから「私」の崩壊が始まります。キリスト教に救いを求めたキルケゴールも、新たな信仰を打ち立てようとしたニーチェも、無残な最期を迎えます。第4講「『わたし』と世界」ではこういう話を書きました。

********************

大和(だいわ)書房さんからこの本の企画をいただいたのは2013年の11月。『経済は世界史から学べ!』が売れ始めて間もなくでした。刊行までに1年10ヶ月かかったことになります。経済本や地政学本はサクサク書けたのですが、今回は難産でした。古典をちゃんと読み直し、出典を明記するのにかなりの時間を取られました。

本を書くときは、原稿→初校(最初の印刷)→校正(間違いチェック)→再校(2度目の印刷)→校正→三校(3度目の印刷)と続きます。

地政学本はあまり直すところがなく、再校の校了でOKが出たのですが、今回は三校。それだけ揉めたわけです。

『思想家たちの格闘』というタイトル通り、著者(私)と大和書房編集部との「格闘」も続きました。

『地政学』の祥伝社さんは、リアリズム系、保守系の出版社さんです。私の世界観をよく理解していただき、編集部から修正要請は一度もありませんでした。

今回の大和書房さんは、リベラル系の出版社さんです。「うちは右翼系はダメ」とはっきり言われました。

私が示したタイトル案は、こうでした。

『アイヒマンは有罪か? 思想家たちの格闘』

これに対し、「ナチ戦犯のアイヒマンをタイトルにすることに編集部内で抵抗がある」とダメ出しが出ます。

それで、タイトルは『世界史を動かした思想家たちの格闘』となったのです。

第1章で、「人権」の根拠はキリスト教的な自然法の観念であること、日本の伝統思想に「人権」の概念はないこと、GHQが現行憲法の制定時に「人権」概念を埋め込んだこと…を説明したうえで、初校ではこう書きました。

「人権を守りましょう」、「差別はいけません」という教育が戦後ずっと行われてきましたが、「その根拠は?」と問われると、人間が作った日本国憲法が出てくるのはおかしな話です。日本人はいまだに人権の本当の意味を理解していないようです。

これに対し、編集部からダメ出しが出ます。「日本国憲法の批判はダメ」

この部分は、次のように修正しました。

…人間が作ったが出てくるのはおかしな話です。

大和書房さんだけの話ではなく、戦後の言論空間でずっと共有されてきたタブー、自己検閲機能が今も出版業界で続いていることを思い知らされました。朝日新聞や毎日新聞、東京新聞だけではないのです。


私は、このような戦後日本の「言語空間」を崩すことを自分の使命と考えています。

そのためには、従来の私の読者層だけでなく、私の本やブログを一度も読んだことがないようなリベラル層の読者にもこの本を読んでいただき、今までの「常識」に疑いを持っていただければ、一歩前進ではないか。

そう考えて編集部からの修正要請はすべて受け入れ、リベラル層の読者に拒絶反応を起こさせないように表現をオブラートで包みました。そんなこんなで、長い時間をかけてこの本が生まれました。

難産の子は、かわいいものです。


都内の書店では、

・紀伊国屋新宿本店、南口店
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/
・ジュンク堂池袋本店
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/store_detail.php?store_id=1
・ブックファースト新宿西口店
http://www.book1st.net/shinjuku/
・丸善オアゾ丸の内店、御茶ノ水店
http://www.junkudo.co.jp/mj/store/store_detail.php?store_id=3
で、たくさん平積みになります。

Amazonこちら

e-honこちら
(e-honは、お近くの書店に本が届くサービスです)




こいつは楽しみだ!

と思った方は、
(お手数ですが)下の「気持ち玉」をクリックしたあとで、こちらも

人気ブログランキングへ ←クリックお願いします。
☆気持玉は管理人に元気を与えます。よろしくお願いします。

********************

地政学本、6刷2000部の増刷が決まりました!
まだ読んでいない方に、教えてあげてください。国民の意識を変えれば、国の未来を変えることができます。

世界史で学べ! 地政学
祥伝社
茂木 誠

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 世界史で学べ! 地政学 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 72
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!) ガッツ(がんばれ!)
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
かわいい かわいい
驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
発売おめでとうございます。楽しみにしておりました。発売日は仕事なので無理ですが、明後日以降、購入したいと思います。

>安保法制の参議院採決を前にして、今夜も国会周辺をデモ隊が囲み、野党は牛歩戦術だ、バリケードだ、と大騒ぎをしています

彼らは「国民を馬鹿にするな」などと、まるで自分たちこそ国民の代表であるかのようにうそぶいていますが、そのようなやり口こそ腐敗した「民主主義国家」の政権の座にある者の常套手段だと思います。
Midosuji30000
2015/09/17 14:08
「言語空間」という表現に、江藤淳氏の名前が浮かびました。野党のやり方やデモの参加者(実際に見ましたが高齢者ばかりでした)を見ても、普通の国民は「なんか怖い」くらいにしか思わないだろうと思います。優秀な左翼の人々は今後どのように動くのか注目したいと思います。
余談ですが、東大の駒場書籍部にSEALDs選書コーナーが設けられました。自分の大学が政治利用されたのかと、情けない気持ちでいっぱいです。
スライム
2015/09/17 15:27
少数者が暴力で選挙結果を覆す。ピューリタン革命しかり。フランス革命しかり。ロシア革命しかり。そういう連中は常に「我らこそ人民の代表」といって憚らなかったのです。

参院の委員会採決時の狂態を見て、またか、と思いました。
https://www.youtube.com/watch?v=pbNWU8atDXc

もし民主党員の中にクロムウェルやロベスピエールがいたら、デモ隊を国会内に引き入れていたでしょう。
管理人
2015/09/18 03:39
SEALDsのアホ学生やデモで憂さ晴らししている連中より、松ちゃんのほうがまともなこといってますね。

https://twitter.com/liyonyon
松本人志さんは安保法制反対デモを疑問視して、「戦争は中国から近付いて来ている。国会に向かって言っても意味がない。中国に向かって言うべきだ」と指摘している。「至言」とはまさにこういうことであり、「正論」とはまさにこういうことであると思う。それ以上、付け加えることは何もないのである。

松本人志、安保法案反対のデモに苦言「完全に平和ボケですよね」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/08/09/hitoshi-matsumoto-complains-demonstrations_n_7961246.html
ドラグーン
2015/09/19 01:50
芸能人にも「踏み絵」になりましたね。
管理人
2015/09/19 07:42
いつも先生の教材で楽しく勉強させていただいています。
もぎせか資料館の授業ノートについて質問です。
文化史A 中国の文化 の中国文化A 科学・芸術の穴埋めの答えはどこにあるのか教えていただけますでしょうか。
よろしくおねがいします。
王羲之
2016/02/08 16:32
解答は、こちらの最初のページにまとめてあります。
http://prox9.firestorage.jp/download20.mcgi?act=download_file&d=dd626d&e=8b0103&key=dc18e4700f6881819df5641f1ed67553300cdd50
管理人
2016/02/09 00:35
返信ありがとうございます。
度々すみません。
紹介していただいたサイトは
エラー発生
ファイルの暗号キーが一致しません。
となり解答はみつけられませんでした。
王羲之
2016/02/09 21:52
失礼しました。

もぎせか資料館 http://www.h2.dion.ne.jp/~mogiseka/
→Lecture→もぎせか授業ノート→文化史2 中国の文化

でダウンロードできるファイルの最初のページです。
管理人
2016/02/10 07:19
見つかりました。
ありがとうございました。
王羲之
2016/02/10 14:59
今春から高校生になる息子に読書本をとネットを徘徊していました所、御著に漂着致しました。当方理系志望なのですが、社会に出たら世界を相手に喧嘩しなきゃいけないので世界史を学んでもらいたくて。

でも世界史を知るには所謂「倫理」や「政治・経済」を通らないと理解が浅くなりますし、世界史を知らないと「現代社会」や日本の立ち位置が理解できません。もちろん國史についても本質が外れた表面的な理解に終わります。

そんな中、世界史を見通す為の哲学入門書となる御著を発見できて嬉しい限りです。でもまだちょっと難しいかなw?まずは私から読んでいます。

田中英道先生の「何がすごいのか」シリーズや『美しい「形」の日本』などは中学生にも読み易かったですね。日本人ですから、まずは中学時代に日本的な哲学が語られた書を子供と一緒に読んでました。

しかし世界へと視点を拡げるとなかなか…。左巻きが多いですね。高校の世界史教師の有名なサイトもありますが、かの人も左臭が漂いあまり触りたくない。

まぁ、今に限らず歴史や現代文の教材関連はそっち系が多いんですけどね。でも親の推薦書としては躊躇します。保守思想が学べる中高生用の文章教材ってないんですよね〜。

近年話題になった保険屋トップの世界史「教養」本も、"おいおいまたかよ"の産物。周辺世界にロールモデルがあったから日本は存立しえたとか、「世界はスゲー!日本は世界の恩恵を享受するだけの立場だー!」的な記述。

マルクス史観は脳の奥底まで汚染し、拭い去り様のない重度の後遺症を残すということだけが伝わってきて、本屋の本棚へそっ閉じしました。誰の為の「教養」なんだよw

そんな中、先生の著作やサイトは大変重宝いたします。応援してます。
40代二子の父
2016/02/16 15:51
ご丁寧なコメント、ありがとうございます。

マルキシズムは、ユダヤ教・キリスト教の代替物です。完全に「信仰」ですから、脱会が難しいのです。世代交代しか解決策はないと私は考えています。

息子さんが社会で活躍される時代には、この国は大きく変わっていると思います。将来が楽しみですね。
管理人
2016/02/17 01:22

コメントする help

ニックネーム
本 文
思想史本、ついに発売! もぎせかブログ館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる