もぎせかブログ館

アクセスカウンタ

zoom RSS レベル7

<<   作成日時 : 2011/03/16 14:02   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 12 / トラックバック 0 / コメント 4

「安全です」、「心配ありません」

という言葉には意味がありません。どういう客観的なデータを基準に、どの程度安全なのかを、具体的に示さなければ意味がない。

原子力事故の深刻度を示す指標が国際原子力事象評価尺度(INES)です。

レベル7 深刻な事故
・放射性物質の重大な外部放出、原子炉が壊滅、再建不能。
チェルノブイリ原子力発電所事故(1986年)

レベル6 大事故
・放射性物質のかなりの外部放出、原子炉に致命的な被害。
・ウラル核惨事(1957年)

レベル5 外部へのリスクを伴う事故
・放射性物質の限定的な外部放出。
スリーマイル島原子力発電所事故(1979年)

レベル4 外部への大きなリスクを伴わない事故
・数ミリシーベルトの公衆被曝、原子炉の損傷/従業員の致死量被曝
・東海村JCO臨界事故(1999年)

レベル3 重大な異常事象
・10分の数ミリシーベルトの公衆被曝/放射性障害を生じる従業員被曝
・旧動燃東海事業所の火災爆発事故(1997年)

レベル2 異常事象
・法定の年間線量当量限度を超える従業員被曝。
・関西電力美浜発電所2号機損傷事故(1991年)

レベル1 逸脱 
・運転制限範囲からの逸脱。
・「もんじゅ」ナトリウム漏洩(1995年)
・関西電力美浜発電所3号機蒸気噴出事故(2004年)

スリーマイル島原発事故の場合には、メルトダウン(炉心融解)が起こりましたが、ホウ酸水の注入で炉心爆発を防ぐことができ、周辺住民の被曝は軽微でした。今回の福島第一原発事故はすでに放射性物質が関東地方にまで達しており、レベル6であることは明白。ウラル核惨事というのは、冷戦時代にシベリアの核兵器工場で起こった事故です。住民が少なかったのが幸いしました。

しかし、15日に関東まで達した放射線は4号機上部の使用済み核燃料プールが火災で露出したことによるもののようで、昼過ぎをピークに放射線量は下降に転じています。

15日、東京での放射線量
画像


16日、東京での放射線量
画像

http://park18.wakwak.com/~weather/geiger_index.html

福島第一原発 3月16日のまとめ

1号機 注水冷却作業続行。燃料棒の70%以上が損傷。

2号機 注水冷却作業続行。燃料棒の30%以上が損傷。

3号機
・原因不明の白煙が発生。燃料棒の状況は不明(計測不能)。
・爆発で屋根が抜けているので、自衛隊のヘリで空中からの給水を試みるが、放射線レベルが高くて近づけず。

4号機 原因不明の再出火。使用済み燃料プールに給水できず、発熱。

画像


4号機原子炉は定期点検中で炉心は空だったことが判明しましたが、半年前に抜いた使用済み核燃料(プルトニウム)を冷却していたプールで給水装置が故障したため、プルトニウム原子核の崩壊が止まらず過熱している、ということです。

このプールは、「五重の防壁」の4番目である格納容器の外にあり、一番外側の原子炉建屋でしか守られていない。つまり「一重の防壁」しかない(これって、設計ミスじゃないのか?)。

画像


その「一重の防壁」が火災で損傷しているので、ここから放射性物質がどんどん放出されている。放射線レベルが高すぎて、作業員も近づけない状態です。

1〜3号機原子炉の圧力容器は、今のところ持ちこたえているようです。これが壊れれば、レベル7、チェルノブイリ級の大惨事ということになる。

第一原発事故はレベル6または7…米機関が見解
【ワシントン=山田哲朗】米民間機関、科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日、福島第一原発の事故について、国際原子力機関(IAEA)が定める国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル6または7に相当するとの見解を発表した。

同研究所は「もはやレベル4と見ることはできない」と指摘。「レベル6に近く、レベル7に達するかもしれない」としている。過去の原発事故では、史上最悪の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故がレベル7、米スリーマイル島原発事故はレベル5だった。(2011年3月16日09時56分 読売新聞)

それから風向きが問題です。

福島原発の周囲20キロ以内に退避勧告、30キロ以内に屋内退避勧告が出ています。しかし放射性物質は微粒子となって空気中に漂いますから、近くが危険で遠くが安全とは一概にはいえません。

現地の風力、風速データをもとにした核汚染のシュミレーションです。

南風の場合
画像


北東風の場合
画像


動画はこちら。
http://www.spiegel.de/wissenschaft/natur/bild-750835-191816.html
※あくまでシミュレーションです。実際の被曝状況ではありません。

個人レベルでは、被曝量が気になるところです。シーベルトという聞きなれない単位が出てきて、ミリシーベルトなのか、マイクロシーベルトなのか、毎時なのか、年間なのか、報道ではそれらがごちゃごちゃに使われています。

画像


この表でわかるとおり、現場の作業員は死と隣り合わせで働いています。防護服を着ているとはいえ、3分交代で現場に入り、除染を受けながらの作業です。

おおざっぱにいって、10ミリシーベルトを超えたら要注意、100ミリシーベルト以上は生命に関わる危険なレベル、ということでしょう。

民間有志の放射線測定モニタ
http://pow-source.com/311/

地震の時に気象庁が各地の震度を発表するように、国土交通省や都道府県は、すべての観測点の放射線データをリアルタイムで公開すべきです。情報を小出しにするから国民は疑心暗鬼になるのです。

首相や官房長官は原子力の素人ですから仕方がないとしても、原子力安全保安院や東京電力の記者会見が酷過ぎる。現場の情報を掴んでいない(マスコミより遅い)、質問にまともに答えない、専門用語で煙に巻く…

独メディア「日本政府は事実を隠蔽、過小評価」
【ベルリン=三好範英】ドイツでは、福島第一原発の爆発や火災などに関する日本政府の対応について、不信感を強調する報道が目立っている。

被災地で救援活動を行っていた民間団体「フメディカ」の救援チーム5人は14日、急きょ帰国した。同機関の広報担当者シュテフェン・リヒター氏は地元メディアに対し、「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。チェルノブイリ(原発事故)を思い出させる」と早期帰国の理由を語った。

メルケル首相も記者会見で「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。ザイベルト政府報道官は、「大変な事態に直面していることは理解している。日本政府を批判しているわけではない」と定例記者会見で釈明したが、ドイツ政府が日本政府の対応にいらだちを強めていることは間違いない。
(2011年3月16日17時48分 読売新聞)

大使館を大阪に移転=オーストリア
【ベルリン時事】オーストリア外務省は15日、在日大使館の業務を16日に東京から在大阪名誉総領事館に一時的に移すと発表した。福島第1原発の事故で放射性物質が漏れたのを受けた措置とみられる。(2011/03/15-23:30 時事)

画像


それから今一番問題なのは、福島原発から20〜30キロ圏の屋内待機になっている人たちです。外から援助物資も届かず、逃げることもできない。今日のように西風が強く、放射性物質が海に流れている日には、屋内退避を一時解除して、30キロ圏外に避難させるべきです。

岩手や宮城の津波被害も甚大ですが、何年もかければ必ず復興できるでしょう。しかし福島は、最悪の事態(原子炉爆発)が回避できたとしても、給水を続ける以外に対応策がなく、その間退避勧告は何年も続くわけです。この地域の住民を他の都道府県で分担して受け入れる。国内難民を出してはなりません。

人気ブログランキングへ 応援クリックお願いします。


核爆発災害―そのとき何が起こるのか (中公新書)
中央公論新社
高田 純

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 核爆発災害―そのとき何が起こるのか (中公新書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 12
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた 驚いた

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
私は、寝ずに日夜作業・対応にあたっている東電や政府関係者の方々に感謝しています。
批判をするのは簡単です。
匿名希望
2011/03/16 14:43
現地では、自衛官、消防士、原発の関係者の方々が尋常ではない覚悟で、作業に従事していることと思います。彼らの行動には、本当に頭が下がります。感謝しなくてはなりません。
その一方で、政府の対応に対しては、国民からの不安や不満が集まっているかと思います。政府、政治家に対する批判が、今後の改善、意識改革に繋がればと思います。やはり現在の日本の政治家の安全保障等に対する意識は、決して高いとは言えません。(民主党にそうしたものが欠如しているのは明らかですが、自民党も足りません)
サン・ジェルマン伯爵
2011/03/17 09:44
先生の書かれた記事をFacebookのほうに「いいね」させて頂いております。特に原発関連の記事等、今後とも宜しくお願いします。

この大災害を機に、何やら日本人の意識が変わりつつあるのではないかと思います。何がどう変わるのか、見当がつきませんが。ともあれ「喉もと過ぎれば…」や「水に流す」といったことが無いよう、一連の出来事を真剣に見つめたいと思います。
サン・ジェルマン伯爵
2011/03/17 09:52
昨年9月の尖閣衝突も大事件でしたが、今となっては霞んで見えます。今回の震災で、半世紀続いた「一つの時代」が終わったのだと思います。

日本人は生まれ変わります。私はそこに希望を見ます。
管理人
2011/03/17 12:45

コメントする help

ニックネーム
本 文
レベル7 もぎせかブログ館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる